辛さの相乗効果の説明

<質問>
我が子は学校で辛い経験を何度も繰り返して、学校自体に反応するトラウマ=fecorを学習してしまったとありますが、同じ経験をしてもトラウマ=fecorができない子どもとトラウマ=fecorを学習してしまう子どもとはどこが違うのでしょうか?

<回答>
ここで例えです。辛さを尺度で示すことは出来ませんが、例えば一番辛い辛さを10とします。辛くないことを0とします。

学校内である辛さがあり、その辛さを経験してその辛さの程度を1とします。普通の何も問題ない子供なら1という意味です。そして次にある辛さを経験したその辛さをまた1とします。
すると既に辛さ1を経験した子供は辛さ1と感じないで辛さ2と感じてしまうのです。辛さには相乗効果があるからです。

多くの子供は辛さ1を感じても、ゲームなど何か楽しいことをして、その後その辛さ1の影響を無くすることが出来ます。辛さを経験した影響が残らない状態(辛さが0)で次の辛さ1を経験します。経験した後の辛さは1になります。不登校になる子供は既に経験した辛さ1を解消できないうちに次の辛さ1を経験してしまうと、その辛さを1と感じないで2と感じてしまうのです。
此を繰り返すことで、不登校になる子供は、他の子供が辛さ1と感じる物を辛さ2,3,4,と段々感じる辛さを強めて言ってしまい、最終的に他の子供では辛さが1なのに不登校になる子供は辛さ10と感じるようになってしまいます。その結果とても強い辛さを感じるようになり、その辛さを感じるたびにその子供の周囲にある物に辛さを生じる条件刺激を学習してしまうのです(その意味では遷延性のPTSDと言えると思います)。

学校内で経験する辛さにはいろいろありますから、その時側にある物に辛さを生じる条件刺激を学習しても、学校内で辛さを経験するとき、子供の周囲にある物は時々で異なりますから、子供の周囲にある物が辛さを生じる条件刺激とまでなかなかなりません。只学校内で辛さを生じますから、必ず共通して存在するのは学校です。学校が辛さを生じる条件刺激となり、学校内で辛い経験を重ねると、子供の周囲にある教室や机、先生、友達なども辛さを生じる条件刺激になりますが、絶えず共通に存在する学校が、辛さを生じる条件刺激になってしまいます。
この事実に気づく人が皆無なのです。辛さを生じる条件刺激として強化されていきます。