情動からの行動、習慣からの行動 3

感覚野からの情報は運動連合野大脳辺縁系扁桃体に送られて、そこで情動評価をされて、その評価された情報から体全体に反応症状を出しますし、大脳辺縁系を経て運動連合野に情報が送られて、情動行動が表現されます。

情動行動は習慣行動よりより多くの神経結合を、神経経路を経ますから、習慣行動より送れて出ます。習慣行動が表現されていても、それ以上に強く情動行動が表現されます。

感覚野からの情報が前頭前野にも送られます。人間以外の動物では前頭前野が発達していないので、どの様な情報処理がなされて伊野か分かりません。人間の場合、前頭前野に送られた情報から意識活動、意識行動を生じますが、その意識はとても複雑な神経活動で、極めて多数の神経結合と神経回路を要します。その結果が出るまでに早くても秒の単位の時間がかかります。その結果、習慣行動が、情動行動が始まっている段階で意識行動が始まることが多いです。多くの大人ではこの意識行動が情動行動や習慣行動より優先して現れますが、情動を、情動行動を調節することが下手な大人は、意識行動よりも情動行動が優先してしまう場合があります。

子供は大人と同じように考えることが出来ません。子供では脳が未完成のために、脳の機能も未完成です。臨床的に見ていると、子供の意識は言葉として表現できますか、その言葉に沿って行動が出来ません。つまり意識行動が基本的にできないのです。それでも子供は自分の言葉に沿った行動をする事があります。それはその子供の本当の姿では無く、よい子を演じている子供の姿です。親に喜んで貰うための、親からの喜びを報償とした情動行動なのです。周囲から責められるのを回避するための回避行動の場合もあります。それも情動行動です。