大人の引きこもり 9

不登校で引きこもりを続けていた子どもがそのまま大人年齢になった場合の大人は、その人の親から引きこもりを止めさせようとする対応を受けるだけで、親から否定されたと反応をしてとても辛くなってしまい、回避行動をしてしまいます。親から引きこもりを止めさようとする対応を受けなくても、引きこもっているだけで自己否定から辛くなるために、引きこもりの大人は享楽的な遊びに没頭して時間を過ごそうとします。

親から引きこもりを止めさせようとする対応を受けなくて、引きこもって享楽的な遊びをして、時間を待つことで自己否定は弱まっていきますが、自己否定が弱まっても、子ども時代の本能からの心のエネルギーの増加が見られませんから、なかなか社会に出て行けません。それでも自分がしている享楽的な遊びを発展させて、その享楽的な遊び(この時点では趣味と表現した方が良さそうです)のために引きこもりを止めることが出来ます。この姿が所謂おたくと呼ばれている大人の姿です。

所謂おたくと呼ばれる大人の姿でなくても、引きこもりにより自己否定が弱まった大人では、自分の楽しみのために引きこもりを止められますが、自分から積極的に社会活動に参加しようとする心のエネルギーは生じません。どうしても他人からの援助が必要です。その援助が引きこもっていた大人の心の沿っている場合には、その援助を利用して社会参加、社会的な自立が出来ます。