否定

人間を含めてほ乳類はその情動(人間では潜在意識の大きな部分)で接近系と回避系があります。本能的な回避系として痛みと存在の否定とがあります。他の人から否定されると、人はとても辛くなり回避行動を取ります。それでも大人では意識的に回避行動を調節できますが、子供はそれが出来ません。とても辛くなり、荒れたり問題行動をするようになりますが、それを軽減できるのは母親の共感とスキンシップです。

自己否定とは自分で自分を否定するのですから、否定から逃げようがありません。それ故に母親の共感とスキンシップの重さがとても大きいです。子供では母親で自己否定を薄めて、子供なりの愉しいことに没頭することで、自己否定そのものも消失させられます。

子供の子育ての中で、大人は躾と称して子供を平気で否定していきます。それが繰り返されることで子供は否定に敏感に反応をしていきますし、最終的に自己否定に陥ります。しかし心が元気な子供は自分で接近系をどんどん求められますから、否定されてもその回避系を自分の持つ接近系で薄めて、自己否定に陥りにくいです。所が心が辛い子供は必要な接近系を持っていません。持っていないから心が辛い状態になっています。そこに否定に回避系が加わると、もっと強い回避系となり、最終的に子供は自己否定になってしまいます。

心が辛い子供への対応法も、今の日本文化では対応策を持っていません。手に負えないとすぐに医療にゆだねてしまいます。増して否定や自己否定でますます心が辛くなった子供にいろいろな病名をつけて、大人に都合が良い対応方を提唱しています。それがかえって子供の自己否定を強めている場合が多いようです。

自己否定を解消しようとする大人の対応がかえって子供の自己否定を強めてしまう場合が多いようです。その結果ますます自己否定を強めて、悪循環に陥ってしまう場合が多いようです。この悪循環を断ち切れるのは子供との間に信頼関係がある大人が必要です。母親が最適なのですが、その母親が子供のための言いながら、かえって子供の自己否定を強めてしまう場合もあります。

子供の自己否定を解消する効率的で良い方法とは、その母親による共感とスキンシップです。此は他の大人には出来ないことです。此により子供の自己否定の悪循環を断ち切る可能性が高くなります。