ある男の子からの考え方 6

>大人の心にならないとできない挑戦ですから、高校生の子供の心には当てはまらないという
と言うことについての質問を受けました。このことは子どもに対応をする人にとってとても大切なことです。心が元気な子どもへの対応をしている人は、それほど子どもの心を配慮しなくても、子どもの方で大人にうまく合わせてくれます。よい子を演じてくれます。心が辛い子どもでは、子どもの方で大人にうまく合わせることが出来ません。よい子を演じられなくて、問題行動をしたり、荒れたり、心の病の症状を出す場合があります。

子どもの心と大人の心との違いを考えて頂きたいです。もちろん今の心理学や精神医学でこのことを言っているのは私だけです。あくまでも子どもへの対応を行った経験からと、脳科学的(前頭前野を含めた、大脳新皮質の成熟にかかる時間)な推測からです。

子どもは情動から行動をします。言葉から(知識)から行動が出来ないかとても下手です。つまり情動行動(感情行動)から行動をしています。
大人は情動を言葉で(知識)で調節してその機能を押さえて、言葉からの行動(意識行動)が可能です。言葉からの行動が理性的な行動になります。例外は大人の感情的な行動です。

情動行動、意識行動の他に、習慣行動というのがあります。この習慣行動は、習慣、癖、とも理解できます。脳の中では同じです。これは情動行動を繰り返すことで、意識行動を繰り返すことで、情動が無くても、意識が無くても、反射的にする用になる行動です。大人は一日の大半をこの習慣行動で行動をして、この習慣行動とは違うことをしなくてはならないときだけ、意識行動をして、またすぐに習慣行動に戻ります。

幼い子どもではこの習慣行動が無いか少ないので、躾という言葉で、この習慣行動を大人は子どもに作ろうとします。子どもは習慣行動をしていないとき、情動行動を続けています。受けた刺激に素直に情動で反応をして情動から行動をしています。これは脳から言うなら思春期ぐらいまでですが、現実に意識行動が上手に出来るようになるのは20歳代の後半では無いかと思います。