がんばって から あなたなりに

日本文化として、ある人が何かしようとするとき、ついつい「頑張って」という言葉を使います。その時、頑張ってねという人は、他に言う言葉が無いから、習慣として頑張ってねと言っている場合と、相手を励ますために、頑張ってねと言う言葉を使う場合があります。

他に言う言葉が無いので、その人の習慣からついつい頑張ってねという場合、そこにはことば通りの意味がありません。言う人は気楽に使っていますが、その言葉を聞いた人によりその言葉の効果が異なってきます。

心が元気な人は、その言葉を聞きながすか、ほんとうにその人を元気づけていると感じて、そこから挑戦する心のエネルギーを受ける可能性があります。

こころが辛い人では、その言葉を聞きながすことが出来ません。程度の差はありますが、がんばれない自分を否定されたと感じてしまいます。この事実に気づいている人が殆ど無いので、このようにここで指摘されても、多くの人は意味を解さないと思います。

相手を励ますために、がんばってねと言う場合、その言葉を言った人はその相手に良かれとして言っています。それを聞いた心が元気な人は、励まされたと理解して、ますます挑戦を続けるでしょう。心がさほど元気で無い人は、その言葉で励まされたと感じるか、その様なことを言われても自分には無関係と、聞きながすと思います。こころが辛い人がこの頑張ってねと言われた場合、心が元気な人のように感じることが出来ません。頑張れない自分を否定されたと理解します。それも意図的に否定されたと感じますから、元々こころが辛くて元気が無いところに、否定されたという辛さとの間に相乗効果を生じて、とても辛くなってしまいます。その結果荒れたり問題行動をしたり、心の病の症状を出すようになります。

心が元気な人に向かって頑張ってねというのは、問題ない場合か、相手を元気づける効果がありますが、こころが辛い人向かって言った場合には、その人はその時以上に辛くします。ですから頑張ってねと言う言葉を使うときは、相手の心の元気さを判断して言う必要があります。所が実際は、相手の心が元気か元気で無いか、多くの場合分かりません。それ故に安易に頑張ってねと言わないで、 「あなたなりにね」 を使うと良いと思います。