ある女性の自殺 2

>いじめは被害に遭った本人だけでなく、家族のその後も大きく変える。
虐めに限らず、虐めのような悪い意味でも、良い意味でも、子どもの変化が家族に大きな影響を与えるのは事実です。その子どもの変化を親の思いで理解すると、子どもがとても辛い事になります。その結果家庭内での辛い問題を生じます。子どもの心の変化を子どもの心に沿って理解すると、子どもの問題を子供自身が解決して、子どもは自立した大人になって社会に出て行きます。この子どもについての事実を、多くの人は知りません。社会常識では子どもは親が、学校が、子どもの心を育てていると、考えていて、子どもの心を無視する場合が多いです。多くの子どもは心が元気です。子どもの心が元気なら、子どもの方で大人の要求に自分を合わせることが出来ます。ある割合でいる、心が辛い子どもにはそれが出来ません。子どもは大人の思いに反して、とても辛い姿になります。その辛い姿になった子どもを大人は病人として隔離したり、犯罪者として罰したりしています。

岐阜市の無職男性(68)は10年前、長女を自死で亡くした。転勤で他県から移住し、当時中学2年生だった長女は春、市内の公立学校に転校して間もなく、同級生からのいじめに遭った。配布されるはずの教科書が渡されず、隣の席の男子生徒に見せてもらおうとしたことを同級生たちに冷やかされ、やがて「なれなれしい」などと言いがかりをつけられるようになったという。
これは今の日本の学校では何処でも起こりえることです。特別なことではありません。もちろん虐めがない方が良いですが、虐めがある学校自体に問題があるので有り、その結果として虐める子どもが出てきて、虐められる子どもが出てきます。虐める子どもに問題を大人は見つけようとしますが、虐めそのものは虐める子どもが問題でも、虐める子どもを生じさせた学校のあり方の方がより問題なのですが、それが学校制度が始まって一世紀以上続いていることも事実です。そして近年その傾向が強いことも事実です。

>長女は夏休み明けから学校に通えなくなり、そのまま全く登校できずに卒業
学校が辛い子どもでは学校に行かせるより良い姿です。

通信制学校に通うが、卒業から半年後、近所のアパートの屋上から飛び降りた
通信制学校が死ぬほど辛かった、その辛い学校に両親から押し出されていたという意味でしょう。通信制であっても学校ですから、この両親がこの女性を通信制学校に行かさなければ、この女性は自殺をしなかったはずです。つまり両親は自殺の原因を女性に求めてしまっています。この女性を苦しめた虐めだけに目をやって、虐めの場であった学校やそこに押し出した両親の問題点に全く気づいていないようです。ここがこのニュースのポイントなのですが、新聞社もその点に全く気づいていません。

>辛うじて一命を取り留めたが
それは良かったことで、ここで両親がこの女性を守ろうとしたなら、この女性はその後の自殺をする事はなかったと思います。

>精神状態が安定しなかった。26歳の頃、再び身を投げ、亡くなった。
精神症状が安定しないという言葉から、この女性は精神科から投薬を受けていたはずです。もしそうだとしたら、確かに薬は自殺を防ぐような物が投与されていたはずです。それと同時にこの女性は薬を投与されることで、より自己否定を強めたはずです。その自己否定の方がより強くなったとき、女性は安住の場所を求めて自殺をしたのだと推測されます。

>長女がつづった日記や、いじめの加害者から送られた中傷の手紙。男性は何もかも捨て、全てを忘れようと努めた。だが、全てを思い出させたのが、昨年7月に市立中学3年の男子生徒が亡くなった、あの事件だった。「あれからずっと、私は当時のことを日々思い出さざるを得ない状態だ」

>長女がいじめを受けた当時の名簿などから、加害者たちの保護者や当時関わった教諭を捜し出した。自宅や学校、市教育委員会へ直接出向いたこともある。「当時のことを認めてほしい。そして謝ってほしい」との一心だった。だが、いじめが直接、自殺の要因になったと示せるものを持ち合わせてはいなかった。学校教育法が定める生徒指導に関する記録の保存期間は5年。市教委によると、学校にも当時の生徒たちの状況を示せる資料は残っていなかったという。

>長女の手記を処分する前に、男性はパソコンで内容を転記している。手記にはこうあった。

きっと父親は、この女性の自殺を父親なりに理解しようとして、そのための証拠を集めようとしたと思います。客観的な証拠の多くは言葉です。大人の言葉はその大人なりの知識による観察からの言葉です。知識が優先して、虐めた子ども、虐められた子どもの心を反映していないことが多いと言うより、まず反映していません。そして父親の対応も虐めが悪い、虐められてその女性は自殺したと言う思いから動いています。父親が探している物はそれを証明する物です。父親としてはこの女性の心を代弁しようとしていますが、実際にしていることは、この女性の思いを無視した物になっています。父親はそれに気づいていないし、誰もそのことを指摘している人もいません。

続きます。