母性とは 3

何を持って母性とするかの難しさがあります。しかし現実に受胎をすることで母親の機能が開始して、分娩して、ほ乳をして、子供をいろいろな危険から守る能力が、母親にある事は事実です。また、自分の子供とほかの子どもと区別をつけられる能力、母親でしか出来ない特別の能力も持っているようです。その母性とはなるほど母性の機能と思えることがあるだけで、それを具体的に列記することは出来ません。

子どもの方で母親の母性を誘発させる能力を持っているかどうかの結論を得るために、長い間母親と子どもとの関係を観察してきました。子ども特有の形態、行動、音声など、これらが母性を誘発させそうですが、それらの子ども特有な物に反応をして子供を守ろうとするのは、必ずしも母親だけではありません。時には男性でも無条件で子供を守ろうとする行動をする場合もあります。あくまでも子どもの観察結果からですが、子どもが母親の母性を引き出そうとしているようではないと思われます。母親が自分の子供から何かを感じて、その結果母性が機能をしているようです。

母親が自分の子供と意識的に理解するのと、母親が自分の子供と潜在意識で認知して反応をしているのとの違いのようです。なぜこのような反応の違いを生じるのか全く分かりません。なぜだか分かりませんが、自分の子供と意識をしていなくても、子どもとの関わりで反射的に、母親の情動から、自分の産んだ子供を守ろり育てようとする能力があるようです。それが母性なのでしょう。その意味では母親が子どもを産んだ経験が無いと出てこない能力のようです。然し一端母性が機能をし出すと、自分が産んだ子どもで無くても、その子どもについて、その女性の母性が機能をしているように理解できる場合があるようです。