大人の引きこもり 12

引きこもりの大人がなぜ就労できないのか、就労が難しいのかをもう一度まとめてみます。プラスの心のエネルギーとはここでは就労してやろうとする潜在意識からの意欲と考えてください。決して就労してやろうという、その大人からの言葉ではありません。

家庭はその大人に合わせた対応をすることが出来ます。叉して居るから落ち着いて=プラスのエネルギーの状態で=荒れたり問題行動をしたり、心の病の症状を出さないで、生活できます。

職場では職場に合わせた対応を受け、その大人に合わせた対応をしてくれる職場は慈善団体の職場しかありません。慈善団体への就労では無く、一般の職場に就労するには、大人は自分を職場に合わせる必要があります。其れは結果的にその就労をしようとする人のあり方の否定になっています。心が元気な大人なら、この否定を心のエネルギーで解決できますが、やっとの思いで就労しようとする大人にとって、心のエネルギーがやっと就労に向かおうとしている大人にとって、職場からの要求を満たすために自分のあり方を押さえてしまう、自分なりの生活を抑制してしまう辛さ、つまり程度の差はあっても自分のあり方の否定に耐えられるかどうかの大きな問題があります。

引きこもりの間に心のエネルギーを十分に貯めて就労をしようとする大人は、この職場からの要求に対して心のエネルギーがマイナスまで落ち込むことは無いなら、就労が可能になります。心のエネルギーを十分に貯めない状態で就労に向かうと、その大人は就労により心のエネルギーがマイナスになり、就労できなくなります。引きこもりに戻ってしまいます。そして現在日本の企業の中で、就労者に心のエネルギーを奪わない企業は無いのです。

もちろん同じ企業でも、そこで就労している大人により、その企業から受ける制約、心のエネルギーを奪う程度は、異なります。つまり就労している大人の適正、性格の問題もあります。ただ、就労するためにその大人の適正、性格はそれほど配慮されないという現実があります。その様な現実の中で、企業に就職する、経済的に自立するには、就労しようとする大人の心のエネルギーの大きさがとても大きな要素になります。所が其れを配慮する環境が今の日本にはありません。