心が傷つくと脳内の変化

>こどもも、無意識に反応しているだけだから、こどもでさえ、自分がしている事を分からないのですね。
そうです。子供の行動の大半は情動行動です。子供が刺激を受けると、その刺激で情動が機能をし出して、その情動からの情動行動が開始します。情動行動は子供の表情や咄嗟の行動、咄嗟の言葉に表現されます。その情動行動を自分で観察して、知識から理解を言葉で表現します。

>理屈ではなくて、体の中から、何かわからないけど、どうしても嫌だという感覚をどうしてよいか分からず、小さい子どもなら、泣きわめいたり、話せるなら、知っている言葉で表すということですね。
そうです。情動(大人では感情)が生じると、情動の回避系が生じた場合には、嫌だと言う情動(本文中では感覚)を生じます。その結果、無意識に回避行動を生じます。それが本文中では、泣きわめいたり、話せるなら、知っている言葉で(無意識に)表すになります。

>それって、大人にも、少ないですが、理屈ではなく、体の中から、何か不快だと思うこと、無いでしょうか。
それを感情と言います。大人でも感情が必要な場合があります。

>先生の資料のなかに、書かれてあったか忘れてしまいましたが、こころが傷つくと、脳自体にも実際に変化が起こるのでしょうか。
脳の構造を具体的に調べることについて、脳の全体を見るのを解剖学、脳の顕微鏡的ぐらいに小さく見るのを脳の組織学と言います。心が傷つくと表現される場合には、のにはどちらも異常がない事がわかっています。
脳は脳細胞から出来ていて、その脳細胞は神経結合で情報処理をしています。それを研究するのが神経生理学です。神経生理学的に変化が起きていますが、生きている人間からそれを知ることは大変に難しいです。未だ人間にその技術が無いからです。

>こころが回復すると、脳は、どのようになるのでしょうか。
解剖学的にも組織学的にも変化はないと言って良いと思います。
神経生理学的に、辛い症状が出なくなるのは、その辛い症状を出す神経回路が機能をしなくなって、その代わりの楽しいことをする神経回路が機能をし出しているだけです。それを知る客観的な方法はありません。それをしる方法は、その人の行動や表情を観察するしか方法が無いのが、現実です。ただし、人間の脳と動物の脳とその構造が極めて似ています。それ故に動物実験が可能な範囲で、神経生理学的な変化を知ることが出来ます。