トラウマの理解3

現在小学校低学年ですが、転校含めて、今のところ「どの学校にも行きたくない」と言っています。登校刺激をかけずに家で好きなことをさせていたら、トラウマが消失する可能性はどれくらいありますか?
また、トラウマが消失した場合に学校に戻る可能性はどれくらいありますか?

不登校の子どもの心にあるトラウマとは辛さの原因に気づかない恐怖反応です。条件刺激に気づかないで生じる条件反射です。条件反射は既に詳しく研究されていて、次のことがわかっています。

条件反射は繰り返すことにより強化されていきます。
条件反射は機能をしないと消失していきます。

それを不登校の子供に当てはめてみますと、登校刺激をすればするほど、学校に反応をするトラウマが強化されて、子供が辛くなるし、不登校問題が解決しません。
登校刺激が無くなるとトラウマが反応をしなくなり、時間とともにトラウマ自体が消失していきます。トラウマが反応をしなくなると、不登校の子供も普通の子供に戻ります。今度は子供が持つ本能が機能をし出して、子供は学校に行ってしまいます

>現在小学校低学年ですが、転校含めて、今のところ「どの学校にも行きたくない」と言っています。
小学校低学年でこれだけのことを言うのは、なぜなのでしょう。不登校分類3の子供はトラウマがありますから、転校をしても学校に行かれるようになりません。それは結果的にわかる場合が多いのです。転校の経験も無いのになぜお子さんがこのようなことを言葉にするのか、わかりません。きっと不登校問題が解決したら、このようなことを言わないのではないかと、自分から学校に行くのでは無いかと推測します。

>登校刺激をかけずに家で好きなことをさせていたら、トラウマが消失する可能性はどれくらいありますか?
登校刺激をしなくても、家の中に気づかない登校刺激があるのが普通です。勉強机や壁に貼ってある絵なども登校刺激になる場合があります。ただ、物により登校刺激の強さが異なります。この年齢でも学校に行かなくてはならないと言う思いが登校刺激になる場合もあります。子供の好きなことの代表であるゲームやネット以外の物を全て子供の周囲から取り除くと、確かにトラウマは消失していきます。

まだ、小学校低学年ですと、登校刺激を受けていた時間が短いことが推測されます。登校刺激を受けていた時間が短いと、トラウマが反応をしていた時間が短いと、それだけトラウマは強くなくて、早く消失してしまいます。その意味で、同じ不登校になるのなら、低学年で不登校になった方が、解決が早い、学校に戻る可能性も高くなります。

>また、トラウマが消失した場合に学校に戻る可能性はどれくらいありますか?
トラウマが消失したら普通の子供に戻ります。学校で新しいことを知りたい、同年代の子供と交わりたいという欲求が機能をし出して学校に戻ります。低学年ではこの傾向が強いですが、中学生や高校生になると、不登校をしている間に学校への興味以外に自分なりの興味を持って、それを優先してする様になる場合が多い様です。その様な子供はトラウマが消えてもすぐに学校に戻りませんが、それでもかなりの割合の子供は学校に戻ろうとします。その際に戻ろうとする学校の受け入れ体制も、子供が学校に戻り通い続けるかどうかの要素になります。