性格の形成

ある母親からの相談です。その母親には保育園児で5歳の順、3歳の誠いう二人の兄弟と0歳の美がいます。
昨夜10時半になっても、順がゲームを続けて遊びたいと騒いでて、家事をしなくてはならない母親がその要求に応えらませんでした。すると順が1歳の美ちゃん(妹)を蹴ったりぶったりし始めました。母親は怒って、そんなに悪い子なら、家から出て行きなさいと言いました。すると順が突然、自分の頭やら体をぶち出しました。母親が見ていられなかったので、順のこの行動を止めたら、順が大泣きして、順なんていない方がいいんだーと泣き叫びました。自分の頭を叩き始めたのでした。
一昨日も、美が寝ているところを揺り起こして泣かしました。そこで母親が怒ると、順が同様の大騒ぎをして、手が付けられませんでした。。
保育園では同級生とゲームでトラブって引っ掻かれたけど、やり返さなかったそうで、外ではいい子(売り言葉に買い言葉はやるけど)?らしいようです。

<解説>
常識的には、母親を美に取られて、順が欲求不満になっていると説明されるでしょう。けれど誠が生まれたときにはこのようなことはありませんでした。その頃、順はとても優しい子供だったようです。ただ、順が乳児の時、なかなか寝付かなくて、寝かしつけるのが大変だったと母親が過去をもいだして言っています。しかしその後しっかりと寝てくれたし、睡眠にも問題が無かったので、寝付きが悪かったという問題は解決しているはずです。

私は何か保育園で満たされない物があるのでは?と質問をしたところ、園で週一回15分ほど、足し算、引き算の練習があると教えてくれました。順はこれを嫌がっていましたが、特別に荒れると言うようなこともありませんでした。順が保育園で荒れなくても、順にとって保育園が辛かったはずです。順が保育園でよい子を演じている姿が母親の説明から推測されます。

母親から、「不機嫌や大暴れは眠いサイン?」と聞かれました。確かに乳児期に寝付きが悪くて御母様が苦労をなさったようですが、それはその後解決しています。

母親から「体力があまっていて、そのひずみ?園は狭くて、順はその狭い園の中で過ごしているから」と言いました。もしそうだとしても順の反応の仕方が自己否定の姿ですから、それも違うと説明しました。

母親から「美がぐずる時、順は本当にいい子だから、兄役の疲れもある?」と言いました。もしそうだとしたら、それは家の中で順がよい子を演じていると言う意味です。兄役のつかれというのは、子供では考える必要が無いと思います。それよりも良い子を演じているときがあるといのは当たっていると思います。然しその程度はそれほど問題はないように推測されます。

家族を維持するために、母親が躾を始めて居るようです。母親はそのことに気づいていないようですが、その躾が順にとって辛いようです。躾はどうしても上の子供に厳しくなりますから。その躾が辛いよと言う順の表現だったと思います。

なぜ自分を攻撃するような行動をしたのか、順は意識的にそれをしたのではありません。このような反応の仕方を自分で編み出したのかもしれませんが、それよりも園の誰かがその様な行動をしたのを見て、それが反応の心に残っていたのではないかと推測されます。

順がこのような反応の仕方の性格を身につけたことはどうにも出来ません。しかしこの反応の仕方を繰り返さないようにしたら、この反応の仕方は消失します。
順がこのような反応をしないような躾の仕方を母親として考える必要があります。