子どもは辛いことから逃げる必要3

>事故にあった場所が怖くても、同じ場所に行っても、もう事故は起こらなかった、という学習と、基本的には同じですか?
このことについて今までブログでも触れてこなかったのです。神経生理学的にはとても大切な反応ですが、不登校では応用する余地がないものですから、触れてきていません。

事故に遭った場所が怖いというのは、恐怖の学習です。事故に遭った場所がトラウマを反応させる物になったと言う意味です。その場所に行くたびに基本的にトラウマが反応を起こて辛くなります。ですから基本的にその場所に行かない方が良いです。所が長年その場所に行っていないと、その言っていない時間の間にトラウマが弱まっていきます。それでもその場所に行くと弱まったトラウマが反応をして、その弱まったトラウマを強化してしまう可能性があります。

その場所に反応をするトラウマが弱まった状態でその場所に行ったとき、その場所にたまたま何か喜び刺激、情動の接近系があったなら、その情動の接近系がトラウマの回避系より強かったら、トラウマは反応をしないで、時間とともに弱まる方向になって行きます。十分に時間が経つと、トラウマは反応をしなくなり、過去にその場で事故があったなと言う記憶だけになります。

事故に遭った場所のトラウマの回避系が弱まって来ていて、その場所に行ったときとても大きな接近系があったなら、そこでパブロフタイプの条件反射を学習します。その事後にあった場所とその時経験した大きな喜びとが結びついて、その場所が楽しい場所、嬉しい場所になってしまいます。過去に事故に遭ったという記憶は残りますが、その場所が怖い場所、辛い場所ではなくなって、楽しい場所、行って見たい場所に変わってしまいます。これを逆条件付けと言っています。

大人では事故に遭った場所をトラウマとして学習して辛くなっても、その後知識からその場所が安全な場所、事故は終わってその事故と関係づけなくて良いと言う知識を持てたなら、その知識からその場所に行くことが出来ます。その際にトラウマが反応をしますがこの知識からトラウマの反応を抑えることが出来ます。昔で言う根性で克服するという形です。この形のトラウマの解決法は大人でないと出来ません。大人でも心に余裕がないと出来ません。

大人なら強引に脱感作ということができます。とても辛い対応法ですが、その事故に遭った場所にその大人を連れて行って、いくら辛くなっていても、苦しんでいても、そこにその大人を止まらせるのです。いくら苦しんでいる大人でも、新たに事故は起きませんから、そのうちに知識からこの場所は問題ない場所だという知識が強くなって、大人ですから、その知識からトラウマの反応を抑えることが出来ます。それ以後トラウマの反応はなくなります。そのためには地獄の苦しみを経験する必要がありますから、おすすめできる方法ではありません。