大阪放火殺人事件

>犯人は10年クリニックに通い続け、医療者が立てた回復プログラムを行ったけど、どれも上手くいかず、結果的にそれが、犯人の自己否定を強めたのかなと思いました。
そのとおりだと思います。推測ですが。自己否定というのも間違いではないですが、怒りと表現した方が分かりやすいかもしれません。

>担当の医者は、なかなか回復しない事に、治療の限界を感じていただろうなとか、それが犯人には、裏切り行為に思えたのかなぁとか想像していました。
依存という言葉をご存じだと思います。推測ですが、医者が犯人に「治してやるよ、安心して治療を受けなさい」と言ったはずです。そして犯人がそれを鵜呑みにしたと言う関係があったはずです。その結果患者が医者に依存をする、その依存を医者が許したとき、ちょうど母と子との関係のようになります。

母と子の場合子の依存関係を母親は許し続けます(歩さんの場合にはこれがない)が、他人同士の間だと、依存をする人の心が辛ければ辛いほど、その辛さから逃れるために、助けて欲しいために、依存を許した相手により強く依存をします。他人同士だとその依存関係が突然断ち切られることが生じます。

その依存が突然断ち切られたとき、つまり医者から「もう治療が出来ない」と言われたとき、患者は葛藤状態になり=別の言葉で言うなら裏切り行為、激しく医者に対して怒りを感じたはずです。親切すぎるてもそれなりの結果が出ればその医師は良い先生と言う事になり、良い評判を得ます。報道を見ても、患者からはとても評価が高かったようです。また結果が出なくても、患者がその状態を維持できたら、治療が続くだけで、患者は葛藤状態になりません。医者が治療を拒否したとき、患者の医師への依存程度により、葛藤から医師への怒りを庄司、その怒りの程度は依存の程度により変わってきます。

>先回りをして、上手くいく場合もあるかもしれないけど、先回りをして、上手くいかなかった時の代償は、社会に計り知れない被害をもたらす危険性があると感じています。
この事件での医者の先回りとは、患者に治るよと言う依存を生じさせる場合だと思います。多くの医者がするように、只薬を出すだけなら、それほど強い依存を生じません。大人の場合にはうまくいく場合、うまくいかなくても患者が納得して治療を止める場合もあります。病気として薬漬けになる場合の方が多いと私は推測しています。医者の場合、特に心を扱う医者の場合、患者に葛藤を生じさせないような治療、対応を行う必要があります。