母性

<質問> こどもが母親を好きなのは、母親と一緒にいる自分がそのままで、良くて、 自分でも自分が好きでいられるからではないでしょうか。 <回答> これは人間の母親が自分の子供に関して感じる感じ方を言葉にした物ですね。素直な母親の思いからの言葉だと思います。 私は母親では無いですから、このような思いを感じることは出来ません。しかし心を研究している者として、人間の母親を観察し、動物の母親を観察して、極めて共通点がある事に気づいています。 動物の母親はある時期が来ると自分から受胎を求め、胎児を育て、自分で分娩し、ほ乳をし、食べ物を与え、危険から子供を守っています。動物により具体的な形態は異なりますが、そして動物は言葉を使わないけれど、この過程は共通です。進化の仕組みを信じるなら、人間もこの育児の過程は共通だと思います。但し、人間ですから、人間特有の育児の形態がある事は事実です。私はそれを信じますから、叉その方が全ての母親に当てはめることが出来ますから、敢えてこの形態を言葉にすることはしません。でも敢えてこの形態を言葉にするなら、この質問の通りだと思います。 この子育ての形態を動物と共通の言葉で表現するなら「母性」という言葉が最適だと思います。つまり私が母性という言葉で意味する具体的な内容を言葉にして頂きました。本当にありがとうございました。 只、人間の場合動物と違って、母性が機能をしない母親がいることは事実です。分娩までは動物と同じですが、ほ乳、育児を放棄する母親です。但し育児放棄の母親が動物の世界にいないかというと、いると言うのが正しいです。それが自然界にいるかどうか、それは私に分かりません。しかし人工的な環境での動物の育児の場合、育児放棄をする母親がいることは事実です。きっと動物が置かれている人工的な環境自体が動物の母親に大きなストレスとなり、母親自体が育児放棄をするか、自分の命を放棄するかの二者択一の環境にいて、自分を選択したのではないかと思います。