私の大失敗

ある不登校の子どもを育てている母親からのメールです。

私が大失敗したのは、子供が不登校になった時にどうすれば良いのか分からなかったから、常識の対応をしてしまったからです。当時はそうする事が、子供を守ってやれる一番の良い方法だと思っていました。でも私が、どうにか学校に行かせよう、学校に戻って欲しい、今ならまだ間に合う、遅れを取り戻せる・・・と思ってやっている間は全くダメでした。常識の対応をすればするほど、息子はどんどん登校刺激を受け続け、荒れ狂い、心の病の症状を出してしまうようになりました。私は、息子をそこまで追いつめてしまいました。

この学会でメールの相談をするようになってからは、もう学校には絶対に行かせてはならない。行って欲しくない。行ってはダメ!と、私自身がまずそう思って対応するしかないと知りました。最初は私も常識の塊で、自分の考えを変えるにはとてもとても時間がかかりました。

表現ができない程の辛い、地獄のどん底の状況になっていたので、もうそうするしか仕方ありませんでした。そうしなければ子供達の命が無いと感じました。その時に、きっぱり諦めがつきました。学校なんかもうどうでも良い。子供達の命さえ守れればと。そこの部分の私の意識の変化だと思うのですが、私が対応を変えると少しづつですが子供達が変わってきてくれました。そうなると、不思議とそれまでの泣いてばかりの日々が嘘のように、私もとても心が軽くなっていきました。

うちの場合は、もう学校に行くことは無いと思っています。私も、心底行って欲しくありませんし行かせることも無いと思います。もう二度と、あの時に戻るのは懲り懲りです。

子供達の命を守ってあげるとは、親として当然な、常識的な考え方を捨てて、ただただ子どもが辛くならないように家の中に子どもを守ってあげるだけでも良いのですが、それに加えてゲームやネット漫画、youtubeなど、子どもが没頭できることをすることを許してあげたので、それだけで子どもの心の辛さは解決に向かっていきました。

この対応は一見とても難しいように思えますが、母親の思いさえ変われば、(ここが一番難しいのかな、と私は思います。)子供が要求してこない限りは母親から動かなくて良いのですから、母親の思いが変われたので母親としてとても楽でした。そして、「見ない言わない母親の笑顔と共感、スキンシップ」さえ守っていれば、母親から何もしなくても良いのですから、以前よりもずっと楽になりました。それまでは学校に連絡したり、専門機関に問い合わせたり、病院の予約に合わせて時間を作ったり右往左往と大変で、いつになったら学校に戻ってくれるのだろうと焼きもきして、とても辛かったです。そして、もし子供が話をしてきてくれたなら、相づちさえ打っていれば良いのですから。(そうなってきたら、信頼関係が出来てきたのかな・・・と。)

そして、子供が元気になってくれば、必ず要求が出てくる。ここまでくると、それはそれですぐ叶えなければいけないので、大変忙しくなるのですが。でも、この要求をかなえる為の忙しさの方が、精神的にはとても楽だと思いました。逆に、要求されることによって、それを叶えられた時の子供の嬉しそうな顔を想像するだけで、こちらも嬉しくなってくる…(母親と言うものは不思議な物ですね。)
だから、笑顔で即座に・・・そこからはもう、体力勝負ですね。(笑)

私は、これで良いと思っています。本人たちなりの成長が出来ると信じています。