>子供の心の成長の仕方を教えてください。
1)子供は生まれると直ぐにその本能から周囲と関わりを持ち始めます。ほ乳を受けながら、ほ乳をしてくれる、自分を育ててくれる大人の持つ文化を自分の情動として真似をして自分の情動を確立していきます。
ただしどのような脳の仕組みで真似が可能なのか未だ解っていません。ただ現象的に、ほ乳類はミラーシステムというのがあるようです。前をしてそれを記憶するための神経回路です。その方面の研究が今成されていますが、ほとんど解っていないのが現状です。
2)この親からの情動のコピーは乳幼児期を終える頃、現象的には自我を主張するようになった頃完成しているようです。この完成した子供の情動は、子供の本能と育ててくれている人、主として母親のその時点での情動と同じ物になっています。それでも既に子供の環境、つまり家族や家族に連れ出された範囲での経験が習慣の心に書き込まれていくと同時に、その経験で生じる情動の接近系、回避系の条件反射の結果から、自分の情動を変化させていきます。また、言葉などの知的な経験が少しずつ知的な記憶として残され始めています。
3)その結果、子供の情動=感情は母親のコピーで始まり、その後に受ける対応で少しずつ変化をしていき、その子供特有の情動が確立して一生続きます。それ故にこの時期の母親の情動の安定がその子供の情動、性格、生き方の方向性を決定します。しかし主として母親を中心として家族の対応が、それ自体が条件反射の学習になって居ますから、大人が子供の性格と気づく頃には、だいたい子供の情動は完成して一生続くことになります。
4)子供の動作は、繰り返すことで習慣の心にその子どもの習慣行動として記憶されていきます。これは経験により変えることが出来ます。繰り返し動作をすることで変わってきます。しかし習慣行動の基本は幼いときに記憶した習慣行動が基本になり、それが変化をさせることは可能だという意味です。それでも最初に出来た記憶は消えることはなく、それに積み重ねられて子供の行動のは変化をしていきます。
5)知的な学習は言葉で成されますから、言葉の学習が始まる頃から開始されます。子供の周囲の環境についての学習もその子供のが経験を繰り返すことで記憶されていきます。経験量で記憶量が増えていきます。それでも最初に出来た記憶は消えることはなく、それに積み重ねられて子供の知的な、空間的な学習結果の変化をしていきます。
子供が記憶した行動、知的な学習、空間的な学習は、一度記憶されるとその記憶自体は脳内に残っているようです。ただし思い出すかどうかとは別問題です。記憶は脳内に散在しているのではないようです。きちんと纏められて、整理されて、次の記憶が可能な状態になって居ます。その作業を眠っている間に脳はしているようです。それほど人間の脳の記憶力はすばらしいです。