登校刺激と応援

<質問>

嫌悪刺激(登校刺激かは判断できない)がありそうなところ(こと、人)でも、最終的に行動が伴えば、応援してあげてよいのですね

あとは、歯が痛いから歯磨きをしてと言ってきますが(歯医者に行けない)歯磨きをしたあと、とても機嫌が悪く荒れます
どのように対応すればよいでしょうか

<回答>

不登校の子どもにとって、登校刺激は嫌悪刺激です。嫌悪刺激を受けると、人も子供も動物も、回避行動を取ります。大人は意識から回避行動を調節しますから、大人に加わっている嫌悪刺激と、大人の回避行動との間には、必ずしも相関(嫌悪刺激が強ければ回避行動も強くなると言う関係)はありません。

子供の場合、登校刺激出ない限り、先ず嫌悪刺激の強さと回避行動の強さとは相関すると考えて良いです。特に登校刺激については、不登校の子どもが登校刺激を受けた時、子供は死ぬような思いを心の奥底で、情動でかんじています。ただし、子供がよい子を演じていないという条件付きです。子供がよい子を演じている場合、子供が登校刺激を受けてとても辛い状態でも、子供がよい子を演じてしまうと、子供が辛い状態かどうか分からなくなります。場合によっては登校刺激を受けて死ぬ思いをしていても、よい子を演じてしまう子供の中には、まるで学校を求めている可能な行動、反応をする子供もいます。

ところが母親と子供との間に信頼関係があると、子供は母親の前でよい子を演じません。登校刺激について素直な反応をします。母親と子供との間に信頼関係があると、登校刺激の強さと子供の反応との間に相関をします。それは、子供は登校刺激を受けると死ぬ思いをするはずなのですが、母親との信頼関係で、母親の母性で、信頼感で、スキンシップで、その辛さが薄められて、その残りの辛さを表現する頃になり、場合によっては登校刺激を受けても、辛さを表現しない場合もあります。ただしそれはよい子を演じているのではありません。

この子供の心の反応の仕方を踏まえて
>嫌悪刺激(登校刺激かは判断できない)がありそうなところ(こと、人)でも、
>最終的に行動が伴えば、応援してあげてよいのですね
とは直ぐに言えないのです。御母様とお子さんとの間に信頼関係があるなら、おっしゃるとおりですが、信頼関係がないと、お子さんがよい子を演じている可能性を考えなくてはなりません。

一般に御母様の方で不登校の子どもを理解していると思われていても、登校刺激がお子さんに加わると言うことは、つまり登校刺激からお子さんを守れていないなら、まだ御母様とお子さんとの間に信頼関係は出来ていないと考えられます。先ず第一に、お子さんがよい子を演じていると理解して対応をなさることをお勧めします。お子さんの学校に行こうとする行動を母親として止める必要があります。それでもお子さんが学校に行くなら、応援するのではなくて、後追いで御願いします。この後追いという母親の対応がとても大切です。応援という場合には先周りも含んでしまうばあいがあります。

>歯が痛いから歯磨きをしてと言ってきますが(歯医者に行けない)歯磨きをしたあと、とても機嫌が悪く荒れます
虫歯を歯磨きするととても痛いです。歯磨きをしてくれと言われて、それを言われたとおりにしてあげることは、御母様とお子さんとの間の信頼関係を高めますが、その対応に嫌悪刺激である痛みを伴う時には、御母様の対応がお子さんの喜びを言寂させます。それどころかその痛みから機嫌が悪くなり荒れるというお子さんの反応は御母様の信頼関係を高めようとするその信頼感を打ち消してしまうほど痛かったという意味ではないかと思います。でもその信頼感分だけ痛みが減っていることは間違いありません。以上の理由でこの場合は仕方がないのではないかと思います。

お子さんの年齢にもよりますが、高年齢のお子さんならウォータージェットを用いて自分で表せる方法もありますが、低年齢のお子さんなら、虫歯のキャビティーをいじらないようにして、歯を磨く必要があります。多分歯医者には行かないと思いますから、必要に応じて痛み止めや抗生剤を用意しておいて、御母様が対応に困った時に使ってみるとか、歯磨き前に痛み止めを使ってみるとか、お子さんと納得の上で対応を御願いします。