買い物に生きた

<質問>

不登校、引き籠もりが3年続いている14歳の娘です。最近娘を見ない、言わない、母親の笑顔を続けていると、表情や行動が生き生きとしてきています。母親との会話も増えて来ました。
娘が祖母からお小遣いをもらったので、そのお金で買い物をしたいと言って、出かけ様としたのですが、母親が其れを止めました。娘は
「ママ頭おかしくなった?それじゃ監禁じゃない。ママ気持ち悪い。一緒に居たくない。話もしたくない。」
と言って部屋に篭もりました。親子関係を少しずつ修復してきたのですが、心配です。これで良いのでしょうか。

<回答>

不登校、引き籠もりが3年続いている14歳の娘です。最近娘を見ない、言わない、母親の笑顔を続けていると、表情や行動が生き生きとしてきています。母親との会話も増えて来ました。
このMSGをそのまま信じると、お嬢さんの心が元気になってきた、心のエネルギーがプラスになってきていると推測されます。その結果家の中では元気な行動が出来るようになってきているようですが、其れが家の外に向かうのかどうか、これが次の母親としての判断になっています。

>娘が祖母からお小遣いをもらったので、そのお金で買い物をしたいと言って、出かけ様としたのですが
どのような理由で祖母からお小遣いをもらったのか分かりませんが、きっと祖母の方ともお嬢さんは会話が可能になっていると推測されます。祖母の方の話は常識的な発想の場合が多いので、お嬢さんはその常識的な話をうまく乗り切れるだけの心の余裕、心のエネルギーを貯めてきていると推測されます。

この場合、お嬢さんが御母様に何も言わないで買い物に出かけた場合、お嬢さんの心のエネルギーはかなり大きくなっています。現実は御母様に出かける話をして、自分の思いを確認しようとしています。つまり、未だしっかりと自分から行動するという心のエネルギーを持ち合わせていないと判断されます。

>母親が其れを止めました。
常識的に考えるなら、母親はお嬢さんの出かけたいという言葉を否定したことになります。こうすることでお嬢さんの本心から素直に行動できるようにしました。お嬢さんが本心から買い物に出かけたいのかどうかの判断をすることが出来ます。
もし御母様のこの言葉があってもお嬢さんが買い物に出かけるなら、お嬢さんの心のエネルギーはかなり大きいです。でかけないなら、お嬢さんの心のエネルギーはそれほど大きくないです。

常識から言うなら、お嬢さんの意思を否定する対応ですから、お嬢さんが自分から意思を出す練習の芽を摘んだことになります。不登校などの心が辛い子供は常識の外にその心はありますから、この常識からの考え方はかえってお嬢さんを苦しめることになります。勿論確実にお嬢さんが自分の意思から行動を始めているのなら、このような対応は必要ありませんし、このような対応をしても、お嬢さんは母親の言葉を否定して、自分から買い物に出かけます。

上記のようにお嬢さんは買い物に出かけたいという意思を御母様で確認したいと無意識に行動をしています。そのときの母親の対応として
1)娘を買い物に出かけるように押す、2)娘のお買い物に出かけたいという言葉に対して母親は判断を与えない、3)母親がこの例のように娘のでかけたいという言葉を否定する、の3つの対応法があります。

1)の場合、常識が通じるほどの娘の心が元気なら、問題ないと思われます。そうでないなら、買い物に出たことによるお嬢さんがどのような経験をするかで、お嬢さんをより元気に出来るか、お嬢さんを元の心が辛い状態に戻してしまうのか、不確実性が大きいです。特にお嬢さんの心を元の辛い状態に戻してしまった場合には、せっかくここまでお嬢さんの心を元気にした意味がなくなります。また、このようになる場合が経験的に多いようですから、もっと安全策をとってあげる方がお嬢さんには良いと思います。

2)の場合、お嬢さんは御母様が相談に乗ってくれないと不満を表現するかも知れませんが、言葉では不満でも、御母様と相談したと言うことで自分の意思を確かめることが出来ます。その分素直なお嬢さんの心から行動が可能だと思います。
でも外出についての不安が少しだけ残る可能性があります。

3)の場合、その発想の仕方、対応の仕方は常識と全く異なります。この対応の仕方は心が辛い子供について当てはまります。本当は心が元気な子供にも当てはまるのですが、常識と大きく異なるので、又結果も常識的な対応と同じなので、心が元気な子供には考える必要がない対応法です。

心が辛い子供では、子供が持つ知識や言葉を否定されることで、その瞬間は怒りを生じます。そして子供の心が既に元気になっている場合には、母親の否定の言葉を無視してその子供なりに動き出すことが出来ます。経験的に、その後母親との関係で禍根を残すことはありません。子供の心が辛い場合には、母親の対応は子供の心に沿っています。子供は言葉で怒りを表現しても、本心ではほっと安堵をしています。但し心の元気さは子供によって異なります。このように極端に二分できません。いずれにしても、不登校から元気になってきた子供に、このように学校や社会に向かう言葉を 「母親」 が否定することに、問題を生じないか、子供の心をより元気にすることが出来るようです。

>「ママ頭おかしくなった?それじゃ監禁じゃない。ママ気持ち悪い。一緒に居たくない。話もしたくない。」と言って部屋に篭もりました。
これはお嬢さんが単にお嬢さんの言葉を否定されたということへの一時的な怒りです。お嬢さんの心の中の動きを上記の内容から考える必要があります。

>親子関係を少しずつ修復してきたのですが、心配です。これで良いのでしょうか。
常識に反しますが、心が辛い子供にとって、とても良い対応だったと思います。