再度知って頂きたいトラウマ

トラウマと表現すると大事のようですが、言葉を換えれば、ただ単に怖い、それもとても怖いという意味です。但しその怖い対象が、普通の人では怖がらないか、かえって喜ぶ物をその人が怖がるから、他の人にその怖さが理解されないのです。

トラウマと分類されていないけれど、峡所恐怖症というのがあります。多くの人では高いところから景色を見るのは格別問題がありません。かえって、人が行かないような高いところに上って、それを喜ぶ人も居るぐらいです。ところが高所恐怖症の人は、高いところに上るのを怖がります。それでも高層ビルなどに上って、高いところにいると意識しないと平気なのですが、窓から外を見たらたちまち足が竦んできます。高所恐怖症の症状が出ます。このような人が沢山いますから、高所恐怖症という名前はありますが、多くの人は病気とは考えません。この高所恐怖症を治そうとはしません。高所恐怖症の人は、高いところ避ける、高いと感じるところを避ければ良いだけです。それは社会的に許されています。この高所恐怖症の心の仕組みそのものがトラウマの心の仕組みなのです。

不登校の子どもは学校を見たり意識すると体中に恐怖の症状を出します。しかし学校は多くの子供にとって楽しいところですし、子ども達のために多くの大人が働いています。一般の人では子供が学校に対して恐怖を感じるのはおかしいことと判断されます。このように感じる子供が問題だとして、矯正しようとします。高所恐怖症では許されることが、不登校の子どもでは許されないのです。

大人でもPTSDという物があります。病気として投薬されて治療をされています。東日本大震災でPTSDになった人が居ました。あるゴーという音を聞くととても不安になり辛くなると言う人でした。普通の人では聞き逃すこのゴーという音があるとPTSDが反応をして辛い症状を出すと分かっているのですが、PTSDがあると言う理由で治療を受けていました。ゴーという音さえ無ければ普通に生活できるのですが、そのゴーという音を避けるような対応は成されないで、PTSDの治療をしたら、PTSDが治ったら、普通の人としての生活が出来るという解釈でした。

高所恐怖症の高いところ、不登校の学校、PTSDのゴーという音、皆辛い症状を出す原因です。その原因を避けさえすれば、普通の人なのです。その原因を避けない限り、これらの問題解決は無いのですが、原因を避けようとしないで、社会的には、問題解決ばかりを考え議論をされています。