同級生

<質問>

11歳の息子は元々学校が好きで無かったようです。不登校の原因は、クラス内に息子が嫌な男の子が居て、学校から帰ると母親に、こんな嫌なことをされた。あんなことをされた。ほんとうに嫌だった。と話してくれていました。母親の私は息子の話を聞いて、一度担任とそのことを話したことがありましたが、何も変わらなかったようです。そしてある朝から子供は起きてこなくなりました。

<解説>

11歳の男の子が不登校になったいきさつの一部を解説してみます。

子供には学校に行きたがるという本能があることをしばしば申し上げています。この男の子にもこの本能は機能をしていたのですが、学校内でそれ以上に辛い経験をしたから、学校に対する拒否反応を生じたという意味です。その辛い経験自体は他の人に理解可能な場合が多いです。しかしその辛い経験の結果、その辛い経験をさせた人に反応をするトラウマを持ってしまったのです。その辛い経験をさせた人にその子どもがトラウマを持ったと言うことを理解できないことが多いです。

元々男の子は学校が好きでないと言う所以前のことを考えてみます。母親は男の子は学校が好きで無かったと言うことから、男の子の不登校を考え始めています。その時子供は入学時から学校に行きたがらなかったという意味の場合と、初めは喜んで学校に行っていたけれど、その後のある時点から学校に行きにくくなったという意味があります。

入学当初から子供が学校に行きたがらなかったと言うことは、子供が学校に入学する前に属していた、学校に似た子供の集団、つまり保育園や幼稚園で、学校に似た集団に反応をするトラウマを持ってしまったと言うことの可能性が高いです。小学校入学時には普通の子供として元気に学校に行っていた子どもが、ある時期から突然、又はだんだん、学校に行こうとしなくなった場合には、学校内の何かに反応をするトラウマを持ってしまったと考えられます。

このようにして小学校で学校内の何かに反応をするトラウマを持ってしまった場合、子供が学校に行きたがらなくなるという事実でしか親は気づけません。子供が何かにつけて学校に行きたがらなくなることで、母親は子供がおかしいと気づくことが出来ます。その際に子供は学校内の何かに反応をするトラウマが反応をして辛くなって学校に行こうとしなくなっていますから、母親が色々と考えて学校内で子供が辛くなっていそうなことを見つけて解決してみても、其れが子供のトラウマが反応をしている原因でない場合が多いです。又は、原因が一つで無く複数の場合には、一つの原因を解決しても、其れ以外の原因にトラウマが反応をして、子どもは学校に行きづらくなります。行かれなくなります。

続く