よい子を演じる(2)

中学生まで不登校だった息子です。すっかり元気になり、家庭生活は全く普通で、息子の意思で、高校は通信高校に進学しました。ある日、警察から母親に電話が来て、息子が万引で捕まっている

<解説>

>中学生まで不登校だった息子です。すっかり元気になり、家庭生活は全く普通で、
不登校解決段階4だったのではないかと思います。未だ本当に弱いトラウマの反応があったのではないかと推測されます。

>息子の意思で、高校は通信高校に進学しました。
不登校解決段階5だと、通信高校への進学でなく、普通高校への進学を選んでいたと推測されます。ほんとうに心が元気になった子どもは、普通高校へ行く傾向があります。但しほんとうに心が元気になっても、通信高校を選択してもおかしくありませんし、子どもによっては高校自体を選ばない子どもも多いように、経験的に感じています。

>警察から母親に電話が来て、息子が万引で捕まっている
きっと息子は始めて万引きをしたのだと思います。その様に仮定して、何故息子が万引きをしたのかを考えると、息子の心が辛くてその辛さからの回避行動=問題行動=この場合は万引きをしたのだと推測されます。もしそうだとしたら、息子に万引きをしようとした意図や意識はありません。無意識に万引きをしています。

日常生活に問題も無くて、万引きが習慣化していない子どもの万引きの多くはこの形です。このように万引きをしても、見つからないときには、捕まらないときには、この万引き行為が繰り返されて、習慣化していきます。そうなると子どもの将来が悲惨なことになってしまいます。捕まって良かったと考えるべきでしょう。この日常生活に問題が無いという親の判断は、子供がよい子を演じていることから来ている可能性が高いです。

店や警察は、子どもが二度と万引きをしないようにと、親への対応を求めますが、その様な対応がどのような結果をもたらしてきているのか、私は知りません。私が知る範囲では、これを機会に又不登校になって貰っています。登校刺激を無くして貰っています。不完全に機能をしていたトラウマを、機能をしなくて良い状態にして貰って、大人になるのを待って貰っています。

子どもがよい子を演じ続けていて、子どものトラウマが不完全に消失していない状態で高校に進学したために、トラウマが再度悪化した可能性があります。又はトラウマは消失していても、新たにトラウマを受けた可能性もあります。どちらか分かりませんが、私なりの推測では前者でしょう。どちらであっても、高校年齢からの不登校からの回復は、小、中学生年齢の不登校より、不登校問題の解決に時間がかかります。