よいこを演じる(3)

中学生まで不登校だった息子です。すっかり元気になり、家庭生活は全く普通で、息子の意思で、高校は通信高校に進学しました。ある日、警察から母親に電話が来て、息子が万引で捕まっているから、引き取りに来て欲しいとことでした。その母親との会話です。

<解説>

>すっかり元気になり、家庭生活は全く普通で、
不登校解決段階4だったと考えられます。すっかり元気になりと書かれていますが、これは母親の判断を介しての表現です。子供の心の状態を示す説明がこのMSGにないので、何とも言えません。ひょっとしたら、未だ極めて弱いけれど、トラウマに反応をしていたけれど、息子はよい子を演じ続けていたのかも知れません。または進学した通信高校内で新たに辛い経験をしたことで、学校に反応をして子供を辛くするトラウマ=FCRが悪化したのかも知れません。

現実に息子は通信高校には行って、再度子供の心が辛くなった結果、その心の辛さの回避行動としての問題行動=万引きをしています。つまり通信高校が楽しい場所なら、息子が心底求めている通信高校だったら、つまり通信高校で心が辛くならなければ、万引きをしなかったはずです。

本来なら子供の方から通信高校が辛いよ、又不登校をするよと、表現してくれたら良かったのかも知れませんが、それはなかったようです。記載されていませんから。または、子供の方から又不登校になると表現できない何かが母親にあったのかも知れません。それとも母親が、子どもが通信高校で辛い経験をしていると気づかなかったのかも知れません。

>息子の意思で、高校は通信高校に進学しました。
子どもの意思でと書かれていますが、心が元気になった子どもは普通高校を選択することが多いように思います。息子が通信高校を選択したのは、未だ学校に反応をするトラウマがあって、通信高校ならそのトラウマの反応が弱かったという意味だったのかも知れません。私の経験からなら、その可能性は十分にあります。しかしそれでも断言はできません。

>ある日、警察から母親に電話が来て、息子が万引で捕まっている
このような子どもの万引きは、発作的にしていますから、簡単に見つかってしまうことが多いようです。見つからなくて、習慣化すると、将来大きな心の問題になってしまいます。この段階での万引きは、トラウマが反応をしないような対応、家の中でゲームなどを徹底的に楽しませて上げると、解決出来ます。場合によっては通信高校を退学しなくても解決出来る場合もありますが、基本は親の責任で、決して子どもに責任を求めないで、通信高校を退学させて上げることでしょう。