>「娘の心がこれ以上壊れないようにするためにはどうすればよいかを考えて行動を選択していた」という。
心が辛い子供は母親を求めるという本能がある様です。勿論本能を伽感的な方法で調べる方法はありません。しかし人間にとても近い類人猿の子どもに恐怖を与えたときの、その小猿の反応から推測される事実です。それはハリー・ハーローという人のある意味で知っている人には有名な実験があります。
それは柔らかい布で作った母親ざるの人形と、針金などで作った堅い母親ざるの人形の傍で、小猿が怖がる動くおもちゃを動かしたときに、小猿はその柔らかい布で作った母親ざるの人形にすがりついて、その動くおもちゃがなくなるまで耐え抜けたという実験です。堅い母親ざるの方には往かなかったし、柔らかい布で作った母猿の人形がない場合には、小猿は狂った動物のように恐怖から荒れたり、すくみ込んでしまったと言う事実です。
其れ以外にも、温かい布の母猿人形と、冷たい布の母猿人形では、温かい布の母猿人形の方が、小猿はより落ち着いて恐怖のおもちゃがなくなるのを待つことができたという事実も報告しています。
人間の子どもの揺りかごを考えてみても、柔らかい、温かいベットの方が赤ちゃんが落ち着くことは経験的な事実です。それも少し動く、ゆっくりと動く方がより効果的なようです。
この事実からも、心が辛い子どもにとって、母親の柔らかくて、温かくて、母親の動きから動く母親の肌が、心が辛い子どもの心を癒やしてくれると推測されます。その点だけでも心が辛い子どもへの母親のスキンシップ、ハグなどが、子どもの本能に訴えられて、効果的であろうと推測されます。
それだけでなく母親の音調が高い、ゆっくりとした言葉が、父親の言葉より効果的であると推測できます。
しかし父親が母親の代役ができないと言う意味ではないです。父親でも母親のように振る舞えば、代理母の役目ができることは経験的な事実です。心が辛い子どもにとって父親が父親を主張したときには、小猿の実験のようにとても心が辛くなってしまうのです。この札幌ススキ野殺人事件には、この子どもの本能からの心を無視した対応が続けられいたのではないかと推測されます。
心が元気な子どもには父親の能力が子どもの能力を発展させるのに役立ちます。しかし心が辛い子どもでは、父親は子どもの心を責める存在になります。子どもの心を責める存在でなくなるには、父親が代理母の役目に徹する必要があります。