大人の引きこもり 4

>ところが、家族とは普通に会話をして、日常生活は問題なく送れている引きこもりもいる。

大人の引きこもりについて、限定されていても、社会活動は出来るのになぜ就労をしないのかの問題を只単に性格に求めたのなら、なかなか解決策が見えてきません。その理由として、実態がよく分からない性格を変えることの難しさにあると思います。性格という言葉を使っても良いですが、性格という概念からでは心の本質を理解できません。その社会活動が限定される理由、就労できない理由を、脳科学からの心の仕組みから考える必要があります。

大人の行動を決めるのは、意識と習慣と情動です。大人特有の意識から大人の引きこもりを解決できないから、大人の引きこもりの解決の難しさがあります。習慣から大人の引きこもりを解決しようとしても、習慣からの行動ができるようになるには時間を要します。その習慣をつけさせるためには、専属の関係者と時間がかかります。当然費用もかかります。またどのようにして習慣づけたら良いのかわかっていません。その習慣づけるためにも、情動行動を理解して対応を続けることで、就労も可能になりますし、就労を続けることもできるようになります。

引きこもりの人が日常生活が問題なくできるという事実から、日常にはその人を苦しめる強い嫌悪刺激がないという意味です。弱い嫌悪刺激はあっても、その嫌悪刺激を回避できる程度だという意味です。しかし就労しようとするとその際にとても大きな嫌悪刺激が存在するという意味になります。他の人ではたいしたことでなくても、その人にとってとても大きな嫌悪刺激です。いくらかでもこの状態を理解できる人は、職場の雰囲気がその人に適していないとか、その職場がその人に適していないとか考えます。多くの人は、その人に根気がないとか、根性がないとか、その人に責任を求めます。