Re: 「引きこもり」支援者に根強い“引き出せばいい”という錯覚の罪 17

不登校から引きこもった大人への対応の第一歩は自己否定を無くすることです。この対応は大変に難しく時間がかかります。只その際に、自己否定が無くなっても、 「否定には敏感」 であることを忘れてはいけません。特に社会に引っ張り出されたこのような大人は、特に否定に敏感です。他の人では気づかないような微細な否定に反応をして辛くなり、社会から逃げ出してしまいます。

この否定に対する過敏性は一生つきまとうと考えても良いぐらいです。それ故に否定されること=自己否定を生じますから、否定を生じる社会には出て行けない、出て行ってもすぐに逃げ出してしまう原因です。この事実を社会の人々はは気づいていないようです。社会から積極的に肯定されても、このような大人は否定に敏感なことに変わりはありません。

その大人が社会に出て行こうとしても、社会はお金を中心とした競争社会です。その社会には肯定もあるが否定もありますが、このような大人は一度否定を受けるとたちまち社会生活が出来なくなります。もしこのような大人に否定する物が無ければ、その大人は社会で社会生活が可能です。

不登校から引きこもった大人への援助が必要だと申し上げました。これらの大人は否定に敏感ですから、なかなか社会生活をしてくれません。そこで社会生活を出来るようにするお膳立てが必要なのですが、そのお膳立ての中に、否定の要素があってはならないと言う意味です。此は大変に難しい援助です。然しこの援助が無いと、このような大人は自分から否定が存在すると感じる社会の中に出ていこうとしません。