「引きこもり」支援者に根強い“引き出せばいい”という錯覚の罪 23

>1)これらの大人の心のエネルギー、しっかりと意思を出させる能力の度合い
>2)受け入れる社会がどれだけこれらの大人を受け入れる寛容さがある度合い

今までの議論をまとめてみます。
一般に引きこもりより、ニートの方が良い、ニートよりフリー他の方が良いと思われる人が多いと思います。その傾向は無いわけでは無いですが、例外が多すぎることを申し上げてきました。

ニートとフリーターとは本質的にそれほど大きな差が無いこと、
ニートやフリーターより、引きこもりの方が良い場合もあること
を申し上げました。つまりこれらの人の形から判断をするので無くて、心のエネルギーから判断をする必要があります。

不登校から引きこもり、ニート、フリーターの大人に社会的自立を求めるには、

第一にしなくてはならない事は、これらの大人の自己否定を無くする必要があります。その役目は親、特に母親の役目です。

第二にしなくてはならない事は、意思を出させる練習をさせることです。日常生活の中で些細なことから、その大人が全て自分の意思から判断して行動をする練習です。たとえそれが親から見て問題であっても、その大人が判断したことを認めて、その結果を経験させる必要があります。

第三にしなくてはならない事は、社会からの援助です。その大人が自分の意思から、または他人から引っ張り出された社会に、その大人の否定があってはならないのです。完全に否定を無くすることは出来ませんが、少なくともその大人の心のエネルギーでその否定を十分に相殺できる物で無くてはなりません。つまり心のエネルギーが大きければ大きいほど、否定がある社会に出て行き続けられます。
相殺された心のエネルギーが大きければ大きいほど、社会的自立が早くなりますし、確実になります。

只、現実にこの事実を知らないで、これらの大人を社会に引き出せば良いと考えている大人が、社会機構が、あまりに多いことです。社会に引き出して社会的自立が出来るこれらの大人も居ないとは言いませんが、多くのこれらの大人は社会に出ることで叉心のエネルギーを使い尽くし、マイナスになって、辛い引きこもりか、ニート、フリーターに戻ってしまいます。それ以後なかなか社会で自立しようとしなくなります。

次回最後に、もう一度心のエネルギーのことを述べます。