大人の引きこもり 17

つまり、このような大人を家の外に引き出して、社会に引き出して、社会性を持たせるには、周囲からの援助でこのような大人に合った、このような条件と、環境を作ってあげる必要があります。ここが子どもの引きこもりへの対応と異なるところです。

子どもの行動は習慣行動と情動行動です。子どもも言葉を発しますが、その言葉通りに行動をすることは出来ないか、大変に難しいです。子どもが言葉通りに行動したときには、一見意思からの行動のように見えますが、実際は情動行動です。多くは親からの褒賞を受けるか、親からの罰を避けるための行動です。

大人は意識で情動を調節して、意識からの行動をします。意識とは未だ正確な定義は出来ませんが、少なくとも言葉に出来る知識から、自分の感覚や行動を言葉にする場合です。その意識から行動をするとき、その意識=知識を意思と表現できます。大人の意思とは、その人の知識から行動をするときのその知識を言います。それだけではありませんが、少なくとも大人の場合その人の知識からの行動が意識行動の重要な要素になっています。

不登校から引きこもり、ニート、フリーターの大人は、普通の大人のように意識で自分の情動を調節して、情動行動を押さえて、意識行動だけをするようになっていません。それ故にこのような大人の行動には、情動行動と意識行動と両方が混在しています。そして他人の前では、情動行動もあたかも意識行動のように行動をします。ですから周囲の人から見て、その大人の人が意識行動をしていると判断されるような行動が、1)の行動に相当します。