ある男の子からの考え方 27

>つらい仕事が多いので、長続きもしません。C子さんは「学校をやめて働くと言ったのに、何ぶらぶらしているの?」と息子を叱ります。

多分ですが、肉体労働はそれ相当の高い報酬を得ると思います。報酬を得るという意味では悪い職業では無いのですが、純一君は肉体労働どころか、就労自体を求めて居なかったのです。学校から逃げるために、やむを得ず職場に行くけれど、本気で仕事をするのではありません。それ故に職場からのいろいろな圧力が加わったと思います。それに耐えられるようなら、純一君は不登校になりません。当然短期間働いては止めるという繰り返しになったと思います。

母親には、学校に行かないなら働けという思いしか無かったようです。家で純一君の辛い心を癒やす事を許さなかったのでしょう。純一君が仕事を辞めて家にいても、母親は仕事を見つけること、仕事に行くようにと、純一君を家から押し出したのでしょう。純一君は学校で受けた辛い心を回復させられないままに、また辛い職場に押し出されていたのです。

このような純一君の立場にいたら、子どもは家に帰らない、家から別の所に居場所を求める物ですが、純一君は家に戻ってきています。それは家の外に純一君の居場所が見つかっていなかったという意味が考えられます。

もちろん純一君の心を元気にしようとする居場所は家庭の外に今の時代ありません。一番問題なのは、純一君の居場所を与えるふりをして、純一君を利用とする集団がいる可能性があります。今のところこのような集団に捕まっていなかったという運の良さがあります。また、純一君が辛い心を持ちながら、家の外を動いているとき、ふと知らない世界に行ってみたくなったとき、予想も出来ない、そして後戻りが出来ない行動を取ってしまう場合もあります。