ある男の子からの考え方 28

>純一君は「自分でも考えているんだから、あまりごちゃごちゃ言わないでくれ!」と怒ります。

母親からの繰り返される言葉、
>働くと言ったのに
で、純一君は働くことを意識せざるを得ません。この言葉は寿一君自身が行った言葉だと言うことを、純一君は知っています。ですからその辛い言葉を聞いても、母親の言葉を否定できません。純一君が母親を必要としなければ、母親を捨てて家を出て行くことも可能です。然し純一君が生きていくために、どうしても母親の存在が必要です。純一君に母親に対して優しい=母親に反抗できないという性格が無ければ、母親に向かって暴力的に荒れることも可能でした。それが出来ない純一君にとって、母親のこの辛い言葉を聞き続けるという現実になります。

現実に働いていない、働けない自分を意識せざるを得ません。母親からの辛い言葉を回避するために純一君は何かをしなくてはならないと反応をします。それは次の仕事を探すことで回避できたのでしょう。然し就職してもすぐに働けなくなるという現実の繰り返しがあったのでは無いかと思います。仕事を探すことの繰り返し、仕事を始めて見て働けない自分を知る、これらの繰り返しから純一君は仕事探しを止めてしまったのかもしれません。

仕事探しを止めると母親のこの辛い言葉が繰り返されます。純一君が家にいるためには、どうしてもこの辛い母親の言葉を止めさせる必要があります。止めさせるために、多くの子どもは暴力という問題行動をするのですが、純一君は暴力という行動をしませんでした。それは純一君の性格から来ています。それ以上の理由はありません。そこで純一君は、言葉による反撃を行ったのです。この言葉の反撃は、嫌悪刺激に対する回避行動に過ぎません。

>自分でも考えているんだから
常識的に理解するなら、純一君がは働くために、働けるように、いろいろと思考を巡らしている、いろいろと挑戦しているという意味でしょう。確かにこれまで幾つかの職場に勤めて、純一君の働くと言う言葉を証明しようとしています。それはその場限りの純一君なりの思いと行動でした。その事実を考えているという言葉に含ませていると思います。実際にいろいろと将来に向かって、自分が働けるようになる人間になるための方策を考えているわけではありません。

>あまりごちゃごちゃ言わないでくれ!」と
お母様の働くといったのにと言う言葉が純一君に辛いから、その言葉を回避したいという意味です。純一君にとっては嫌悪刺激という意味です。

>怒ります。
純一君にとって嫌悪刺激の回避方だったのです。御母様の言葉が純一君にとって嫌悪刺激である限り、只単に嫌悪刺激への回避方に過ぎません。