心の回復2 追補

人間の大人では、意識から行動をします。感情は意識的に調節するのが、大人らしい姿です。意識的に感情を調節できない人を、感情的な人と表現されます。感情的な人と表現すると悪い意味に理解されますが、芸術家は感情から作品を作っていますし、一般の人もその感情からの作品を好みます。

人間の子どもは言葉をしゃべりますが、言葉からの行動=意識からの行動が出来ないかとても下手です。子どもは教育により意識に必要な知識を増やし、意識からの行動をする練習を続けています。それに対して子どもは主に感情からの行動をします。子どもの意識的な行動を考えられる行動でも、感情からの行動の場合がとても多いです。
子どもの感情は幼少期に完成します。それは持って生まれた感情と、母親とのふれあいの中で発展させた感情があります。この完成した感情を変えることは大変に難しいです。言葉や教育で感情を変えることは出来ません。唯一の感情の変え方は条件反射を使う方法ですし、子どもも条件反射からそれまで似ない感情を獲得することが出来ます。

この子どもの心は思春期を過ぎた頃から急激に大人の心に変わっていきます。大人になると子どもの時の心を思い出せませんから、子どもの心の理解が難しいことになってしまいます。大人で子どもの心が理解出来るという人でも、大人の心で子どもを観察した結果を言っているので有り、子どもの心を思い出しているのではありません。また、自分の子供時代を思い出して子どもへの対応を考えても、子ども時代の子どもの心を思い出しているんでは無くて、子ども時代の現象を大人の心で理解しているだけですから、子どもの心を十分に理解出来ません。

ただし、子どもの心が元気なら、子どもが大好きな親に子供自身を、本能的に合わせ様とします。それ故に子どもの心が元気なら言葉での対応が可能になります。一見理性的な行動が可能なように感じられます。

不登校の子供の心を考えるとき、この事実を忘れないようにお願いします。