好奇心

ある方からの質問と回答です。

>「子供の本能として、子どもの集団が好きですし、新しいことを知る学びの場が好きです。これは子どもが持つ本能ですが、大人になると無くなってしまいます。」と書かれています。では、大人でも好奇心旺盛で意欲的な人はどのように理解したら良いのでしょうか?

本能は情動の一つです。本能からの行動は情動行動です。特別な場合を除いて、大人ではあまりない行動の仕方です。
大人は習慣と意識行動が主です。この質問について、好奇心旺盛と表現されていますから、意識行動では無いです。

1)好奇心が強い大人とは、子ども時代の好奇心からの行動(子ども時代は情動行動)が習慣化して大人になっている。習慣行動になっている。

2)そうであっても、多くの大人は、大人の社会生活の中で、好奇心を意識的に抑えてしまっている。好奇心を抑えて生活することが習慣化している

3)好奇心の対象が、意識的にその好奇心を抑える力以上の接近系を持って居る。つまり大人では情動行動はないと申し上げましたが、あまりにも情動が強いときには、情動行動が出てくるという意味です。多くの人ではこのようなことはありません。

4)大人の中には自分の情動を調節するのが下手な人がいます。芸術家の大半はそれですが、その下手が故に情動(感情)を素直に表現する芸術作品を作ることが出来ます。芸術家でなくても、情動を調節するのが下手な大人は、習慣行動、意識行動の他に、情動(感情)行動をします。このような人の周囲に好奇心をそそる物、情動の接近系を機能させる物、があると、他の人では反応をしないのに、反応をしやすくなります。

5)ここで子どもの好奇心の元になる本能が大人になる過程で、いつ無くなるのかという問題があります。この答えは誰も知りません。ひょっとしたら、この本能は続いているけれど、多くの人では、意識的に抑制されているのかもしれません。意識的にこの本能を抑制し続けていると、それが習慣化して、無意識にこの本能を抑制してしまい、この本能が無くなったように見えるのかもしれません。これは証明をしようが無いです。

いずれにしても、見かけ上、只単に考え方の問題ですが、大人になると子どもが持って居る好奇心に相当する、新しい物を知りたがるという本能が無くなると考えて対応をして問題を生じないと言う事になります。せいぜい好奇心という言葉で説明するだけです。