母親が気づかない言葉の中に登校刺激

ある母親からの相談です。

14歳の不登校になって2年が経つ女の子です。今は部屋の中に引きこもって、ドアに鍵をかけ、母親も部屋に入らせません。何とかして会話をしたいのですが、ドアの外から話しかけると、激しく怒ります。手紙などで、娘の辛い気持ちを話してほしいこと、娘の辛い気持ちを理解したいこと、今までの母親についての反省、謝罪をして、前のような関係に少しづつでも戻れるようになりたいのです。

>14歳の不登校になって2年が経つ女の子です。今は部屋の中に引きこもって、ドアに鍵をかけ、母親も部屋に入らせません。
母親を拒否しています。拒否する原因は、母親が登校刺激を女の子に与えるからでしょう。母親にその気が無くても、母親の言葉のどこかに学校を思い出させる物があるので、娘は母親を避けています。

母親は子供にとって、子供の本能から、とても大きな情動の接近系です。不登校の子供にとって、登校刺激は母親の存在という接近系を凌駕する、辛さなのです。どの様な形で登校刺激を母親が与えているのか、このMSGでは分かりません。しかし娘が母親を拒否する姿から、母親が娘に登校刺激を与えていることが分かります。登校刺激以外に母親の持つ接近系を凌駕する物が無いからです。


>何とかして会話をしたいのですが、ドアの外から話しかけると、激しく怒ります。
それまで、母親からの言葉に登校刺激が何回もあって、その結果子どもの心が母親を拒否するようになっています。母親もどの言葉が登校刺激になっているのか理解できないので、母親がもっと言葉が持つ登校刺激を、それもこの女の子についての登校刺激を理解するまで、母親から言葉がけをしないほうが良いです。

すると母親と子供との間に会話ができないという意味になりますが、現時点で母親は子供に言葉がけをしないで、子どもの訴えを無条件で際限なく聞き続ける必要があります。

>手紙などで、娘の辛い気持ちを話してほしいこと、娘の辛い気持ちを理解したいこと、
この母親の思いを言葉にすることも、結果的に登校刺激になってしまいます。子どもからの言葉を聞き続ける必要がありますが、子どもに話させようとすると、子どもの否定、または登校刺激になってしまいます。母親は子供の心を知りたいでしょうが、母親から聞き出してはいけないのです。子どもから漏れ出る心の言葉を素直に受け取る必要があります。

>今までの母親についての反省、謝罪をして、
子供が母親の前に出てくるまで、部屋の外から、何度も何度も土下座して、謝り続ける必要があります。謝る理由を言うと謝ったことになりません。ただ謝り続けることが必要です。子どもが部屋から出てきたら、無言で子どもを抱きしめる必要があります。

>前のような関係に少しづつでも戻れるようになりたいのです。
母親のこの気持ちはよくわかるのですが、その思いが子どもに伝わると、子どもは母親の謝罪をそのまま素直に受け入れてくれません。母親は無心で謝り続ける必要があります。