このままで良い?

昨日の検討会である母親から話題の提供がありました。

<質問>

息子は不登校になって3年になります。学校と一切の関わりを取り除いて、ゲームやネットを好きなだけさせています。息子は昼夜逆転を止めて家の中ではとても元気です。しかし外に行く気配がありません。これがいつまで続くのか不安になります。このまま一生引きこもりのままになってしまわないでしょうか?

<回答>

この問題を考えるとき、心のエネルギーに注目する必要があります。心のエネルギーは、体を動かす物理的なエネルギーと異なります。意欲という言葉に置き換えるとほぼ間違いがありません。心のエネルギーとは情動の接近系です。不登校での登校刺激のような回避系の刺激が加わっていますと、それらは相殺されて心のエネルギーはマイナスになるかプラスでも0に近くなります。心のエネルギーの効果は少なくなります。積極的な動きが少なくなります。

不登校の子どもの心のエネルギーは、マイナスの登校刺激が無いと、登校刺激が無いと、プラスの心のエネルギーが自然に増加していきます。これは大人には無い、子供特有の現象です。きっと成長することと関係していると思われます。
の結果子供は心のエネルギーを注ぎやすいゲームやネットに注ぎ、その注ぐことでますます心のエネルギーを大きくしていきます。

心のエネルギーには方向性があります。ゲームで心のエネルギーを大きくした子供、ネットで心のエネルギーを大きくした子供は、その心のエネルギーをゲームに注ぎ続ける子供、ネットに注ぎ続ける子供もいますが、ゲームやネットに心のエネルギーを注いでいる間に、其れ以外の方向に今まで貯まった心のエネルギーを注ぎ出す子供が多いです。どの方向に心のエネルギーを注ぎ出すのか、其れは子供の経験に依存しているようです。ゲームに没頭している間に、ネットに没頭している間に得たヒントで、今まで貯まった心のエネルギーを洪水のように注ぎ始める子供を数多く経験しています。其れを機会にゲームやネットを止めてしまう子供が多いです。この子供の姿を、ゲームを卒業した、ネットを卒業したと私は表現しています。

このように子供の場合にはゲームに、ネットに没頭することで、ゲームを卒業し、ネットを卒業して、其れまでとは異なった方向に、大きな心のエネルギーを持って没頭するようになります。その様な子供の中には、その心のエネルギーを勉強に向ける、進学に向ける子供が出てきます。その様な子供には登校刺激は大きな心のエネルギーで帳消しになってしまいますから、普通の子供、またはそれ以上の意欲を持った子供として進学に向かって行ってくれます。前回の大学共通試験で書いたような子供が出てきます。