どういう気持ちだったの?

ある母親の質問のメールの一部です。

〜って思ったんだね。どういう気持ちだったの?と話しかけることも、共感や傾聴に入るのか質問をしてきました。

心が辛い子供への傾聴は、子供の言う言葉だけを聞き続けることです。共感は子供の言葉にならないところを感じ取って、子供へ言葉を含めた色々な方法で子供へ伝えることで、代弁してあげることです。子供の情動=感情を子供は意識できない場合が多いので、言葉にならないことが多いのです。又言葉の持つ意味、その際に生じる情動=感情は大人の物と異なることが多いです。それ故に、オーム返しの~って思ったんだねは、教官になっている場合がありますが、オーム返しでない場合には、子供の辛さを増長させる場合もあります。それ故に、オーム返しにしてください。

きっと母親は子供の気持ちを知って、それに対して共感をしようとしていたのだと思います。心が辛い子供では、心が辛いことを子供が理解していなくても、心の辛さだけに共感するだけで十分です。「辛いね」だけで良いです。

子供は基本的に情動=感情を言葉に出来ません。ですから、どういう気持ちだったの?と質問をされると、基本的に答えることが出来ません。その時まで持っていた知識から答えますが、その言葉はその場に応じた自分の知識を表現しただけで、その時生じていた情動をそのまま表現した物ではありません。

心が辛い子供の場合、自分で理解できないことを質問されると、それだけで辛さが増強します。回避行動を強めますから、共感だけにして、質問をしない方が良いです。