ある母親との対話

母親の娘は精神科より投薬を受けています。その母親との会話の一部で、皆さんの参考になる部分をお伝えします。

>後追いの意味、なんとなくしかわかりません。具体的に知りたいです。
後追いの意味です。お母さまがすべきことは、お母さまの知識、思い、感覚で何もしないことです。ですから他人から見たら子育てを放棄したように見えるような対応です。
1)傾聴(相槌とオーム返しだけ)。絶対にお母さまの意見を言わないこと。
2)共感(辛いねという意味の言葉、大好きだよ、お母さまの子供で有り難う、今のあなたで良いよ)とスキンシップ(可能ならハグ、出来なければ触れられるお嬢さんの体の一部に触れること)
3)お嬢さんからの要求を100%お母さまの笑顔で叶えること
が現時点での後追いです。お嬢さんの心が元気になったら、これにもうすこし加わります。

心が辛い子供への対応法として、ありのままの子供をそのまま認める対応法が必要です。心が辛い子供は親の希望する方向への変化をする心の余裕がありません。変化できません。それ故に親として心が辛い子供への対応は現状維持です。ただ現状維持でない点は、子供が楽しいことをする、そのための環境を整えて上げる必要があります。そのための環境を整えると言う先周りは必要ですが、それも子供の反応を見ながら、環境を整える方向性を見つけていく必要があります。

>娘は向精神薬を飲んでいます。服薬の件は、やめさせたいです。
お母さまの対応として、お嬢さんが薬を飲むこともお嬢さんに任せる必要があります。子供の場合、心が辛いと当人として現状維持になりますが、心が楽になったら飲むのを忘れてしまいます。その結果飲まなくなります。そこがポイントなのです。お母さまは薬のことを一切言わないでください。お嬢さんがするように任せて上げてください。お嬢さんから話し出す話を聞くだけにして、それにしたがってください。

>初め頃自傷行為が始まったにもかかわらず
自傷行為とはお母さまに辛いよと言えない代わりに行為で心の辛さを言っただけです。それ以上の意味はありません。それほどお母さまはお嬢さんにお嬢さんの心を表現させようとしなかったという意味です。
しかし医者は自傷行為を自殺の前兆だと理解します。自殺をされると医者に責任を問われますから、医者に出来る投薬という方法で、自傷行為を止めようとします。そのことを母親は理解する必要があります。

>「薬やめてもいいような気がする」と言ったことがありました。
お嬢さんは薬では治らないことを感じ取っていたのでしょう。それとも、もう自傷行為をするつもりはないと言う意味だったのかも知れません。

>その後しばらくして私が「なぜあの時そう思ったの?」と聞くと、「うーん なんでかな」と言っていました。
このようなことをお母さまはお嬢さんに絶対に聞かないでください。お嬢さんも理解できないことですし、薬自体のことを忘れさせた方が良いからです。お嬢さんも自殺をする意思はないのですし、薬の副作用による辛さも感じ取っていたのかも知れません。

>なんとなく娘は自分のことを全部わかっているような気がします。
自分の心を感じ取れるという意味では、お嬢さんしか出来ないことです。お母さまの観察は御母様の価値判断であり、間違っている場合が多いですし、今までも間違っていたから、今のお嬢さんの辛さがあるのです。

>服用しない方向になるべく安全に持っていく方法、知りたいです。
お嬢さんにゲームなどの楽しいことに没頭させておくことと、後追いをすることだけです。絶対に御母様の判断でお嬢さんに向かい合わないことです。