娘の留学娘の留学

今の娘は、自分発の意思でバイトを始めたり買い物に行ったり遊びに行ったり活発に動いています。バイトで失敗した時は一時的落ち込む様子も見られましたが家族に吐き出しながらも自分で気持ちを切り替えバイトを続けています。
通信高校に行っていますが疲れた時は自分で休むと決めてバランスを取っているようです。「バイトも学校も楽しいことだけしてほしいからやめて欲しい」と伝え続けていますが「ママの気持ちはわかったよ」と言いながらもひとりで決めて行ってしまうので結果的に後追いです。
今回ご相談させて頂いたのは娘が1ヶ月ほど前から留学したいと言いだしたことについてです。娘は留学エージェント探しや、今の通信高校から単位が移行できるかなど全部ひとりで調べもう担当者とひとりで頻繁に打合せをしております。
半年前くらいにも「留学したい」といって調べ始めた時があって、赤沼先生にご相談させて頂いた時は「お子さんの自分探しの一つからの発想。基本的にお子さんはお母様の傍らで自分探しをしますから海外に行きません。お子さんが答えを必ず出してくれることを信じてあげるだけで良いと思います。」とご回答いただきました。
その時はその通り娘から留学の話もなくなり自然消滅していたのですが今回の娘は実際に動き出してしまっていて「料金のことは親じゃないと判断できないから一緒に説明を聞いて欲しい」と言われ主人が先日一緒に留学エージェントからの説明を受けました。「私は留学せずに家にいて欲しい」と言っていますが娘がエネルギーが貯まった状態での動きなのかわからなくなってしまいご相談させて頂きました。留学は驚くくらいの料金がかかります。このまま後追いで動いてしまって良いのか迷っています。

<解説>

>今の娘
不登校解決段階5です。自分発の意思がしっかりと出ていて、母親がそれに振り回されている姿ですね。其れを可能にしたのは母親が娘発の意思を実行しようとしたときに、そこからの逃げ道を作ってあげていたからです。自分発の意思を実行して失敗しても、娘は安心してその失敗から逃げ出せて、その失敗からの辛さから自分を守ることが出来、娘自身が安心して自分発の意思をどんどん出して、安心して挑戦し続けていたという、母親からの気づかない心の支えがあったからです。

不登校だった子どもが自分発の意思に挑戦すること自体がとてもすばらしいことです。そしてその挑戦が成功すればそれはその子どもの自信になります。この娘の場合、自分発の意思を自分一人で挑戦して成功させ続けています。この時、娘の挑戦を他の誰かある人が手助けすれば(常識的にはその様にする物ですが)、その成功から得る自信は他の誰かに手伝って貰ったという範囲での自身です。その自信の意味がかなり少なくなってしまいます。

自分発の意思に挑戦して、挑戦に失敗すると言うことは良くあることです。もし誰かある人に手助けをして貰って失敗したら、子どもはその手助けしてくれた人に怒りを感じます(大人では手伝ってくれただけでも感謝という発想もありますが、子どもにはそれがありません)。娘の場合、自分発の意思で挑戦したとき、母親が必ず逃げ道を作ってくれています。その逃げ道があるから、娘は安心して自分発の意思から挑戦をして、失敗して辛い思いをすることなく、又新たな挑戦をします。それは母親にとってとても大変な作業、娘の心の支えになりますが、それがあったから母親にとって大切な娘がここまで心を元気にして、留学をするという挑戦を開始しました。

>「私は留学せずに家にいて欲しい」と言っています
これは娘の挑戦に対する逃げ道を作っています。常識から言うなら、娘の希望の芽を摘むことと理解されますが、母親のこの逃げ道を作る対応で娘の挑戦の芽が摘まれてしまうようなら、未だ留学という挑戦を出来る段階の娘の心ではありません。常識的に娘の留学を応援したとき、留学先で挑戦が失敗したとき、娘は不登校になった時と似た心の辛さを経験することになります。