Re: 「引きこもり」支援者に根強い“引き出せばいい”という錯覚の罪 3

>● 「そのままでいいんだよ」 で本当にいいのか
> 「引きこもりは家から外に引き出すべき」
>  いまだに親や支援者の間には、そんな錯覚が根強く残る。

不登校の子供の引きこもりは、家の外に登校刺激が無いと、家の中に引きこもりません。引きこもりの子どもが旅行先で普通の子どもと同じように行動が出来る理由、引きこもりの子どもが外国に行くと引きこもりを止めて、学校(日本の学校とは違った反応の仕方をします)に行くようになるのも、その理由からです。

大人の引きこもりも、家の外にその人を否定するような物が無ければ、家の外に出る様になって、引きこもりを止めてしまいます。ただし、それだからと行って就職するようになるかというと、そうではありません。自分を無条件で受け入れてくれる職場なら就職してくれますが、職場は一般に厳しいです。少しでもその引きこもっていた人を否定するようなことがあると、自己否定が強く機能をして、働けなくなります。

引きこもりの人に社会的な自立、つまり仕事をして給料を稼いで貰うためには、職場を斡旋するだけでは、意味がありません。その職場に少なくともその引きこもりをしていた人を否定する物があったら、職場を斡旋してもすぐに止めてしまいます。職場にその引きこもっていた人を否定する物が無くても、その人は職場で否定される可能性を絶えず感じていますから、なかなか事後とを続けられません。
引きこもっていた人が職場で働き続けられるには、その人を肯定する物が無くてはなりません。職場にその人を肯定する物があると、その職場にその人を否定する物があったとして、その人を肯定する力がその人を否定する力より大きいなら、その人はその職場で働き続けられます。社会的な自立が可能になります。大切なことは職場を提供するだけで無く、その職場がその人にとって楽しい物で無くてはなりません。