Re: 「引きこもり」支援者に根強い“引き出せばいい”という錯覚の罪 21

1)これらの大人の心のエネルギー、しっかりと意思を出させる能力の度合い
2)受け入れる社会がどれだけこれらの大人を受け入れる寛容さがある度合い

心のエネルギーとは情動の接近系です。
自己否定は強力な回避系です。自己否定がある限り、情動は回避系に機能をして、心のエネルギーは貯まりません。情動の接近系は機能をしません。そのために、情動の接近系に相当する楽しいことをする必要があります。楽しいことをしていると自己否定の回避系を弱めていき、家の外に接近系があるときには、その接近系の方が大きくなっていって、家の外に出られるようになります。

不登校から引きこもり、ニート、フリーターの大人を家の外に引き出すと言う事は、情動が回避系のままの大人を否定が多い家の外に引き出すことですから、些細な回避系、些細な否定でも、とても強く反応をして辛くなり、無意識に回避行動をしてしまいます。家の中に逃げ込む、荒れたり問題行動をしたり、心の病の症状を出すようになります。

もちろん引き出した家の外に、その大人への否定が無ければ、その大人はそのまま家の外に出続けられます。然し実際に否定が無い家の外が、社会は存在しません。多かれ少なかれ必ず否定があります。否定に遭遇します。そのためにこのような大人を家の外に、社会に引き出すには、心のエネルギーがプラスであるか、マイナスでも極めて弱い状態で、否定の無い、出来たら肯定がある家の外に、社会に引き出す必要があります。

つまり、このような大人を家の外に引き出して、社会に引き出して、社会性を持たせるには、周囲からの援助でこのような大人に合った、このような条件と、環境を作ってあげる必要があります。ここが子どもの引きこもりへの対応と異なるところです。