大人の引きこもり 13

家の外に出て社会と関わるので、完全な引きこもりよりニートの方が良い、お金を稼いでくれるのだからニートよりフリーターの方が良いと、日本社会では考えられているようです。心が辛い人を社会との関わりで分類するだけでなく、その大人の心から考えて見る必要があります。

最近の脳の研究から言うなら、脳が大人と同じように完全に成熟するのは30歳ぐらいになってからのようです。不登校の子どもの観察から言うなら、心が元気な大人なら、自分の意思で自分なりの行動が出来るようになるのは20歳台に入ってからです。情動行動が消えて殆ど全ての行動が習慣行動か意識行動になるには20歳台の後半のようです。20歳台は移行期のようです。ですからここで言う、不登校から引きこもり、ニート、フリーターになった大人とは30歳ぐらいからで良いのではないかと思います。20歳台は移行期、まだ子どもとしての本能も機能をしている段階ではないかと思います。

子ども年齢の本能は情動からですが、大人の意思の機能を持っています。本能は意思と違って変更は出来ません。大人の心への移行期では子どもよりも本能の機能が弱まってきていますが、その弱まりを補うのがその大人の意思です。つまり子ども時代から大人年齢になり、心として大人の心への移行期であっても、しっかりとした意思を発揮できるなら、それは子どもが自分から社会に向かって動こうとするのと同じことになります。その大人も自分の意思から社会に向かって動こうとします。只少しずつ動き出す子どもや大人は少なくて、動き出すと爆発的に動くようになりますから、その時期がいつ来るのか予測できません。