質問を受けました 6

ここでもう一度条件反射の仕組みに戻ります。この例のように、元来無関刺激だったAを、辛さを生じる条件刺激Aとして学習することを、嫌悪刺激の学習と言います。この嫌悪刺激の学習という言葉を使うと、2.の形の不登校は、学校内でAという恐怖の学習をしたことによる不登校です。この形の不登校は多くの人に理解できますし、対応法もわかりやすいです。この嫌悪刺激の学習と言うことはよく見られます。恐怖の学習はよく見られますが、子どもが長期に渡って学校に行かないという2.の形の不登校になりません。それは原因が分かりやすいし、対応法がわかりやすし、その対応によって回復しやすいという事実があるからです。

Bが教師Aを見たり、意識したりして辛い思いをしているとき、別の生徒Cにより虐めを受けたとします。するとBはCに対して辛さを生じる条件刺激を学習してしまいます。今まで無関刺激だったCが辛さを生じる条件刺激になってしまいます。この虐めを受けたときBは辛くなるのですが、Bは既に教師Aを見たり意識することで辛くなって居るとこに、Cの虐めの辛さが加わり、その辛さが加重してしまい、とてつもなく辛さを感じるようになっています。

周囲の人が見てCの虐めがたいした虐めで無いから、Bはそれほど辛くなって居ないはずだと理解しても、Bは療法の辛さを合わせた以上の辛さを感じて、Cに辛さを生じる条件刺激を学習してしまいます。周囲の人はなぜBがCにその様な過剰な反応をするのか分かりません。精神医学で言うPTSDの状態になってしまうのです。

BはCに辛さを生じる条件刺激を学習して、Cを避けるようになります。それと同時にBは虐めを受けたときBの周囲にあった物にも辛さを生じる条件刺激を学習してしまいます。このとき教師Aから辛い対応を受けたときにBの周囲になった物が、Cから虐めを受けたときBの周囲に叉存在していたなら、そのBの周囲に存在していた物にとても大きな辛さを生じる条件刺激を学習してしまいます。