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心=脳の機能は外から見ても分かりません。他人の心は、その人が発する言葉、行動、表情、症状から知ることが出来ます。現在は、f-MRIという方法で、のうのきのうをしることができるようになってきていますから、ある程度までこの手段で心を知ることが出来るようになっています。

言葉は大人と子どもとの間に違いがあります。大人では言葉通りの行動が可能ですが、子どもの場合言葉通りの行動が出来ないか大変に難しいです。言葉通りに行動をしていると判断できるときは、その行動と一緒に報償を求めて居る場合、恐怖を回避している場合が存在しています。つまり一見ことばにそってこうどうをしているこうどう=意識行動のように判断できますが、その実は情動行動なのです。

この事実はとても大切なことです。この事実は常識に反しますし、多くの大人が間違って理解していることです。それでも多くの子どもは(=心が元気な子どもは)気づかないけれど日常生活の中で主として母親からの報償を求めて、そして得られるから、言葉通りの行動が出来ます。常識が通じます。

心が辛い子どもは言葉通りの行動が出来ないことが多いです。一応言葉通りに行動できない物だと理解して、心が辛い子どもの言葉を理解した方が良いです。心が辛いと言うことは、報償がない、母親からも報償が得られないからです。この事実を知らない人は、言葉通りに行動しない子どもを問題視して、心が辛い子どもでも言葉通りに行動をするように求めますから、子どもの方で大人を拒否して、親を拒否して、自分の部屋の中に引きこもったりします。時には大人に向かって荒れる場合もあります。

心が元気な子どもには、このような考え方は必要ありませんが、心が辛い子どもの言葉とは、子どもが持っている知識を言葉として表現しただけで、その言葉通りに行動が出来ない物だと理解する必要があります。叉その逆、言葉通りに行動できない子どもでは、その子どもの心が辛い場合があることも考えて置く必要があります。