ある男の子からの考え方 11

>担任は今年教師になったばかりでした。校長の指示に従うだけで、学生達の思いを代弁することが出来ませんでした。そのために担任と生徒達とがぶつかり教室内が荒れてしまったのです。この事実を知った純一君の母親は、純一君に学校とトラブルを起こしてはいけない、純一君の学校内での評価と、大学進学に影響をするからと、純一君を説得しました。その結果純一君は荒れて自分の部屋に引きこもってしまいました。

今年教師になったばかりの担任という言葉から、この担任に対応能力が無いという意味を持っていると思います。対応能力が無いから、校長に伺いを立てて、その指示に従う教師の姿を見ることが出来ます。それはごく普通の教師の姿です。その教師が経験していなかったことを、経験がある校長に意見を求めて、それに従うことはやむを得ないことでしょう。つまり今年教師になったばかりに意味があるのでは無くて、その教師が未だ経験していない事への対応法が分からなかったという点が重要だと思います。

担任は何かの対処をする必要がある場合、校長の指示を受けて、それを実行するのは仕方がないことです。その場合の校長の指示とは
1.学校の立場からだけの指示
2.生徒の立場も踏まえた学校の立場からの指示
3.生徒の立場を全面的に踏まえた、学校の立場が二の次の指示
の可能性があります。

あくまでも不登校の問題に対応をして来た結果から言うなら、不登校問題に関係する校長の指示は1.の事が多いです。1.の立場からの指示で担任が対応をするから子どもが不登校になり、1.の立場からの指示が私たちの所まで届いてくるのかもしれません。

きっと教育者としては、2.の立場を主張すると思います。言葉の上では理想的な言葉に聞こえますが、教師自身が、校長自身が自分たちの目の前の生徒の立場、心を知らないという事実があります。教育専門家の言葉、自分たちの経験から、生徒の立場は、心はこういう物だと決めつけていて、それを元に学校の立場を考えているようです。その結果生徒達の立場を反映する場合もありますし、生徒達の立場を反映しない場合もあります。生徒達の立場を反映しなくて問題を生じたときには、学校は生徒に問題があると、対応をはじめます。純一君の場合がこれに相当します。