大人の引きこもり 7

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20201223-00000025-sasahi-soci
の記事について、私なりの解説をしてみます。


>実家で暮らす2歳年下の弟の慎吾さん(仮名)のことだ。慎吾さんは「大人の引きこもり」で、もう20年以上、仕事をせず、外に出ることもほとんどない生活を送っている。
家の外に慎吾さんを辛くするものがあるという意味です。家の外に出るたびにそれを感じて、家の外に出るときとは、その辛さ以上に楽しさがあるとき、慎吾さんの場合自分のために必要と感じるときだけだったのでしょう。

>「両親は勉強しろとうるさくいわず、伸び伸びと育ちました。弟も、高校に入るまではごくふつうの子どもでした」(美奈さん)
本当にそうなのかもしれません。本当にそうなら、このような慎吾さんの姿になることが考えにくいです。きっと両親家族が、そして周囲の人が気づかないように、慎吾さんの辛さを隠し続けて、よい子を演じ続けていたのではないかと推測されます。この間に心のエネルギーを使い果たしたのではないかと思います。使い果たしたと言ってもマイナスになっていませんでした。それ故に今の姿があります。

>それが高校1年生のある日突然、不登校になった。なぜ行きたくないのか、家族が聞いても弟は何も言わない。休みが1カ月、2カ月と長引くようになり、母親は学校に呼び出されて話し合いをしたが、らちがあかず、そのまま高校を中退することになった。
高校に行けないのに高校に行っていた、慎吾君の立場から言うなら高校に行かされていたと言うでしょう。もちろんこの言葉すら慎吾君はいえなかったのです。慎吾君の性格から、両親への優しい思いから、このときの慎吾君の姿が慎吾君にとって精一杯だったのでしょう。
もちろん高校退学の時点でも、両親や周囲の大人は慎吾君がよい子を演じていたことに気づいていなかったのです。慎吾君自身も気づいていなかったのでしょう。気づかなくてもその後の対応で慎吾君の心のエネルギーを増やすことはできたのですが、両親からそのための対応を受けなかった、ただただ不登校、引き籠もりの解決のための対応を受けた、それは慎吾君の慎吾君なりの成長をしたい、生きたいという本心を否定し続けてきたのだと思います。そしてそれが20年以上も続いているのです。