大人の引きこもり 6

>根本的な問題解決へはなかなか進展しない現実も見えてきた。

根本的な問題解決として、周囲の人が気づいた、引きこもりの大人の問題点を解決すると言う意味だと思います。其れでは根本的な解決と思っているだけで、根本的な解決になっていません。周囲の人が築く問題点とは、匹氷の当人が持って居る根本的な問題点では無くて、枝葉の問題だからです。

根本的な問題点とは、自己否定です。この自己否定を取り除いて、自己肯定感にしてあげる必要があります。もちろん引きこもりの大人で気づく問題点の積み重ねで引きこもりの大人の自己否定になっていますから、その枝葉の問題点も取り除けらら取り除いてあげた方が良いです。しかし、その問題点を取り除くことに一生懸命になり、根本的な問題点を解決しないなら、それほど意味がありません。時には対応次第で、自己否定を強めてしまう可能性すらあります。

例えば、ある引きこもりの人についてです。ある相談機関がその人にとって働きやすい環境を与えてあげて、少しずつ仕事に慣れさせようとする対応はよく見掛けます。前回で申し上げましたように、引きこもりの根本的な問題点は、自己否定です。その仕事場に、その仕事自体に、とても大きな喜びを感じられるなら、自己否定を生じません。其れを機会にその人は元気になり、就労が可能な場合もあります。然し其れはそれほど多くはないと思います。

多くの場合与えた職場に多かれ少なかれ、その人を否定する何かがあります。例えばあるノルマを課されていたり、その人が好まない物に関わるとか、などです。周囲の人からみたら、とても良い条件でもその人にとっては辛く感じて、逆に自己否定を強めてしまいます。その人自身もその関わったことが人を元気にするのにふさわしいと理解できるのに、その人は其れが出来ないという現実を知ることで、かえって自己否定を強めてしまいます。