先回り 3

子どもが楽になるように、子どもが便利なように、先々の準備をしてくれないのかという雰囲気が子どもにあります。母親がなぜもっと先回りするように動かないのか、子どもの希望(学校に行くための)を叶えるように動いて欲しいと言い、子どもがイライラします。登校刺激を与えないために、母親がどう対応すべきか悩んでしまいます。共感することを大事にしていますが、どうしたら良いか教えてください。

心が元気な子どもに先回りをしても、問題を生じることはありません。時にはもっと子どもを元気にして、思わぬ能力を発揮するきっかけになります。

心が辛い子どもでは、現在の自分を維持するので精一杯です。その精一杯だと言う事実に沿って先回りをしてくれるなら、かえって心が辛い子どもの心を楽にします。所が多くの大人は、心が辛い子どもを何とかして元気にしようとして、子どもに働きかけます。子どもが要求しないのに大人の方から対応を始めるので先回りになります。所が心が辛い子どもは今の自分を維持するのに精一杯ですから、大人からの働きかけに答えることが出来ません。とても大きな心の負担になります。

大人はある事があると、今までの経験から対応をすることが出来ますし、今での経験と異なるときには、いろいろと考えて意識的に対応をします。所が子どもはそれが子どもにとって楽しいか楽しくないかを最優先にして反応をします。叉いつもと同じ事だと今までの経験から行動をする場合もあります。心が元気な子どもの場合です。親も今までの経験から子どもが何を喜ぶのか分かっていますから、子どもが喜びそうなことを先回りをしてする事が可能です。もちろん大人からの先回りをした対応が、子どもの辛い心に沿っていれば心が辛い子どもを楽にします。元気にする方向に作用をします。

なぜ心が辛い子どもの心が辛いのか、その辛さを解消するにはどうすれば良いのかを、心が辛い子どもの心に沿って理解してから、対応を行うことになります。この点を次回にお話しします。