先回り 5

親や大人が考える対応は、心が元気な子どもには効果的なことが多いですが、心が辛い子どもには効果が無いばかりか、逆効果になります。

不登校引きこもりの子どもの本心が求めて居るのは、辛い学校から守られたいという心の動きです。子ども自身はこの自分の心の動きを知りません。言葉では学校に行きたいと言いながら、その言葉自体でも登校刺激となって、子どもを苦しめます。

不登校引きこもりの子どもが求めて居る物は、学校にいかに事を許可されて、家で子どもなりに成長できることです。楽しければもっと良いのですが、少なくとも登校刺激から守られていれば良いです。子どもの本心からの要求は学校を忘れて、家で楽しく過ごすための事柄です。少しでも学校の臭いがある様な要求は、親のためによい子を演じている言葉です。また少しでも学校の臭いがする様な要求を言うこと自体が、子どもに未だ登校刺激が加わっている証拠だと考えて間違いありません。

親や大人からの子どもへの言葉が、学校に行くなと言う内容なら、この言葉は先回りをしても大丈夫です。それ以外の言葉は、子どもにとってすべて学校に行きなさいと言う言葉として理解されます。繰り返しますが、不登校引きこもりで心が辛い子どもは、学校に行かなくてはならないと言う思いを絶えずしています。学校に行くなと言う言葉以外、程度の差はありますが、すべて学校に行きなさいと言う意味に子どもは理解をします。

いくら大人が学校のことを言っていないと言っても、子どもの方で学校に行けと理解してしまうのですから、大人は学校に行くなと言う言葉以外の言葉を言わない方が良いでしょう。