昨日小学校5年生の真理子が久しぶりにやって来ました。お母さんと一緒にがケーキを焼いたからと持ってきたんですね。てっきり母親に頼まれて来たと思ってました。今日母親に聞いたら、真理子が急に走りたいと言い出して、ついでに我が家にケーキ持って行ってくると言ったそうです。

でも真理子はケーキを持って行こうとその時に思いついただけで、ケーキを持っていきたいと思ったわけではないと思います。私のところにいきたいが主たる目的で、走りたいと、ケーキを持っていきたいとは、真理子が私のところに来るための口実だったと私は理解しています。

真理子が私に会って、真理子の思いを聞いてほしいという情動からの情動行動だと思いました。真理子が意識をしていないけれど、話したいという情動行動を実現しようとするのに、親がわかる理由が必要だったから、走りたいと切り出したのとケーキも利用したのだと推測されます。もちろん真理子はこのことを私にも言葉にしていません。

真理子の家を出るための理由としてランニングを持ち出し、私の家に行く理由として、ケーキを持っていくことを思いついたのでしょう。その思いつきが功を奏して、真理子は我が家にきて、学校でのお勉強の辛さを延々と述べてました。そこにはケーキを作った話、ランニングを楽しんだ話は全くありませんでした。

後から電話で聞いたのですが、真理子の行動は親によって、常識的な理由付けがなされました。その利理由付けとは、不登校だった真理子が元気になってきて、運動を開始しようとしたこと、真理子なりに上手にケーキを焼いたのでそれを見せたかったと言うことでした。

私が見る限り、真理子の行動はとても単純です。勉強での辛い思いを私に聞いてほしかっただけでした。ランニングやケーキ作りの話はほんのわずかで、明らかに真理子がしたかった物では無かったと思います。真理子はただ単に、自分の辛さを私に聞いてほしかっただけ、話すことで楽になりたかっただけだと推測されます。本来なら母親に話したかったのでしょうが、真理子は母親がこのような話に聞く耳を持っていないことを知っていたのでしょう。

真理子は叔母である私のところに来ることを特別な理由がない限り許されていません。今回はランニングをすること、ケーキを持っていくことの、二つの理由から許されました。母親はこの二つの理由から許可を出しましたが、真理子はわき上がる情動行動、私に学校での辛い勉強のことを話したいという母親には理解できない思いを実現するために、母親にはそれは言葉にしないで、母親が理解可能なランニングとケーキを持っていく話を持ち出したのだと推測されます。

きっと母親は真理子の心を理解していると判断しているでしょうが、真理子の本心と異なる真理子が言う理由の部分は理解できても、真理子の本心、学校の勉強が辛いことを言いたいという思いは全く理解できていないし、真理子も今までの経験から、母親に真理子の勉強に対する思いを言えないことを感じ取っているのでしょう。