母親への拷問2

>待っても、心の底からいつまでも何年かかるか分からないのを待てる母親なんてどれくらいいるでしょうか。
不登校の子供を守る対応は母親にとって拷問のように辛いものだと言う事は知っているつもりです。私はその拷問のように辛い多くの母親に、俗に言う寄り添い続けています。場合によっては何年も続くことがあります。そして最終的に母親が気づくことは、自分が拷問のように辛く苦しんでいるとき、子供もその見かけと異なって、地獄のそこで苦しんでいるという事実に気づいてくれます。蜘蛛の糸に書きましたように、母親も子供のいる地獄に自分から落ちて、子供と苦しみながら、最終的に地獄から這い出してくれています。

母親によっては(それは子供によってはと言う意味と同じかもしれません)たいした地獄に落ちないで、さっさと子供と手を繋ぎ合って地獄から出てきてしまう母親もいます。その違いは何かというと、どうも母親が子どもの心を尊重をして、子どもの心の立場から不登校と向かい合って、子供を完全に地獄に落とさない対応をしてくれたからだと推測しています。そこで私も不登校の子供を持つ母親に対して、母親もさっさと子供がいる地獄に落ちて、不登校の地獄の浅いところで子供と一緒に手を繋いで地獄から出て行く対応もしています。

子供を不登校の地獄の深い淵に落とさないためには、子供が不登校になったときに、所謂早期に母親が常識を捨てて子どもの心に沿って変わる必要があります。その早期に母親が変わるための情報(子どもの心に沿った、母親の置かれた立場に沿った情動)をいろいろなところで発信していますが、多くの母親は子供が地獄のどん底に落ちるまで受け入れてくれないのです。それどころか不登校の子供が地獄のどん底に落ちても、母親は子どもの心に沿って考えようとしないで、母親自身も子供がいる地獄で無い別の地獄で苦しんでしまいます。

>世間は不登校に不寛容です。母親は親戚、近所、学校、PTA、職場、子供が不登校でも外に出て人付き合いや仕事をしなければなりません。そこで、不登校について心無い事を言われたり、常識的な正論で責められたり、不登校であることの嫌悪感を露に無視されたり、職場の同僚の子育て学校の話題に入れず惨めな思いをしたり、職場と家の往復だけの父親とは比較にならないほど母親は外で傷付き家に帰ります。
これは現実の不登校の子供の母親がいる地獄ですね。母親がいるこの地獄の辛さから、子供がいる地獄の辛さを感じ取って欲しいのですが、多くの母親はそれが出来ないようですね。常識的な正論で責められと書かれていますが、その御母様が常識的な正論で子供を責めていらっしゃる可能性が高いことも、そしてその結果、子供が不登校という地獄に落ちてしまって抜け出せないでいることにも気づかれていない事が残念です。

>そして家に帰れば、引きこもりで廃人同様の生活の我が子。
確かに見かけはその様に理解されているのでしょうが、子どもの心は不登校という地獄にいて苦しんでいることに気づいてあげて欲しいのです。見かけ上は苦しんでいないように見えるのは、御母様が一部お子さんの心に沿った対応をして頂いているからです。その意味では地獄のどん底にいるのではありませんが、御母様のこの思いがお子さんに伝わったときには、お子さんは地獄のどん底に落ちてもがき始めます。それでも、まだまだ常識からお子さんを理解なさろうとしていらっしゃいます。そしてお子さんの心を代弁するなら、これだけでも御母様に助けられていると言う事になります。もちろんお子さんはこことを言葉にする事はありません。それどころか常識的にお子さんを見る御母様に怒りをぶつけてしまうのではないかと思います。

御母様自身も常識的にお子さんを見つめていることに気づいてあげて欲しいのです。地獄のどん底にいるお子さんを常識的な目で見つめていると、お子さんがいる地獄のどん底が見えないのです。ともう仕上げても、きっとご自分は地獄のどん底にいる、子供はどうして地獄のどん底にいるのか?と言われるのではないかと思います。

御母様が常識という色眼鏡を通してお子さんを見つめていらっしゃる限り(お子さんの心に沿った味方をしていらっしゃらないという意味です)、おこさんの本当の姿が見えてこないのです。と、とても失礼なことを申し上げましたが、それでも御母様はかなり常識という色眼鏡を通さない見方をしていらっしゃいます。それが地獄に落ちているお子さんをそれ以上ひどい地獄に落とさない対応になっています。それにより、ご自分がいらっしゃる別の地獄に甘んじていらっしゃるからです。その意味では常識で固まったった母親よりはとても子供の立場に沿っていらっしゃいますが、今ひとつ完全に色眼鏡を捨てきれていませんね。もう一息常識という色眼鏡を捨ててくださると、今おこさんがいらっしゃる地獄から御母様はお子さんと抜け出す道筋が見えてくるのですが。

続きます。