息子が荒れたときの食卓

不登校引きこもりの息子が、広い机の上でパソコンを使いたいと言い出しました。買って良いというと、ネットで机を調べていました。けれどどれを買いたい机を見つけられませんでした。そのうちに突然自転車で近くの大型家具店に行き机を調べてきました。普段全く外に行かない息子がこのような行動に出たことに驚きでした。しかし欲しいのがなかったと言って買ってきませんでした。

廊下の隅に古い食卓テーブルが立てかけてありました。足が一本根元から折れているので、処分をするつもりでしたが、なかなか捨てに行かれなかったので、放置してあったのです。息子はそれを見つけて、これを使って良いかと聞いてきました。そのテーブルには息子が辛くて荒れた記憶が残っているはずです。テーブルの傷や足が折れたのは、息子が荒れた結果だからです。

母親はその机を使わないようにと言いましたが、息子はその机を分解して自分の部屋に持って行きました。自分の部屋で机を組み立てて、折れた足の部分は段ボールや箱などで支えて、テーブルを完成し、その上にパソコンを置いて、満足そうにゲームを始めました。それから2,3日後にはホームセンターに行ってL字の金具を買ってきて、それで折れた足を完全に修復していました。息子は工作が好きだったことは事実です。でもこのような家具の修理のような工作をしたことはなかったのです。親でも思いつかなかったようなことをやってのける息子に驚きを感じました。

それでもこの食卓には息子の辛い思いと結びついているはずです。何かの折にその辛さに反応をする可能性があります。母親に次のような不安が生じました。

1.家族で囲んでいた食卓テーブルは息子にとってとても辛い記憶を呼び起こす物なはずです。過去の辛い思いが呼び起こされるようだと、息子は自分の部屋で過ごすことができなくなって、部屋から頻繁に出てくるようになるのか、また食卓を壊してしまうのか。

2.息子はその食卓でゲームばかりでなく勉強もすると言って、参考書も置いています。その食卓が登校刺激になっているのではないか。

3.それらを考えて、母親の方から新しい机を買おうと提案をして良いかどうか迷う

と相談がありました。皆さんならなんと答えられますか?